なんだか疲れやすい…
立ちくらみがする…
食欲がない…など
貧血に悩まれている方ってけっこう多いですよね。
さらに貧血は、他の病気に比べると、軽視されがちなのも悩ましい理由の一つ。
経験のない方は、理解しにくいかもしれませんが、貧血は非常に深刻な病気なんです。
では、貧血の原因って、いったいなんなのでしょうか?
貧血の原因とその対策法をご紹介します!
目次
貧血とは…
貧血(ひんけつ)とは血液が薄くなった状態である。 医学的には、血液(末梢血)中のヘモグロビン(Hb)濃度、赤血球数、赤血球容積率(Ht)が減少し基準値未満になった状態として定義されるが、一般にはヘモグロビン濃度が基準値を下回った場合に貧血とされる。(引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A7%E8%A1%80)
貧血の主な症状
一般的に貧血になると<動悸や息切れ><めまい><たちくらみ><耳鳴り><疲れやすい><食欲不振><顔色が悪くなる><抜け毛・枝毛が増える>などの症状があらわれます。
これらの症状の中でも、もっとも多いのが<動悸や息切れ>です。
貧血になってしまうと、血液をできるだけ体中に送ろうとして、心臓や肺に負担がかかります。
その結果、健康な状態であればたいしたことない運動や階段の上り下りだけで、すぐに身体が疲れてしまうのです。
貧血の種類と原因について
貧血は、症状や原因によって、いくつかの種類に分けることができます。
鉄分不足が原因!<鉄欠乏性貧血>
最も広く知られているのがこの鉄欠乏性貧血です。
その名前の通り、鉄分の不足が原因です。
鉄分不足が起こる要因としては、欠食・偏食などによる食生活の乱れ、無理なダイエットによる栄養不足などがあげられます。
食生活が乱れることによって、ビタミンやタンパク質などの栄養素も、鉄分と同じように不足してしまいます。
鉄分、タンパク質、ビタミンB12などの栄養素が不足してしまうと、血液の主成分である赤血球が作られなくなってしまいます。
この赤血球の数が不足している状態が、貧血を引き起こしてしまうのです。
また、妊娠中の女性も注意が必要です。
妊娠している時は、自分だけでなく、胎児にも栄養や酸素などを与え続けなくてはいけません。
つわりなどで食欲がなくなり、鉄分の補給がしっかりとできないため、貧血になってしまうケースも多くみられます。
継続的な出血には注意!<出血性貧血>
病気や月経などにより、出血が持続することで貧血を引き起こします。
血液が失われると、身体は、血管を液体で満たそうと、急速に水分を取り込もうとします。
その結果、血液が薄くなり、赤血球の割合が低下してしまうのです。
病気で考えられるのは、胃がんなどの消化器の疾患などによる継続的な出血。
少ないケースですが、貧血から胃がんなどの早期発見につながった事例もあります。
女性は、生理や子宮筋腫による出血が考えられます。
月経時の血の量や期間は、個人によってさまざまですが、量の多い方などは、貧血になりやすいといえます。
また筋腫が子宮の内側にある子宮筋腫の場合も出血量が増える原因となります。
赤血球が破壊される!<溶血性貧血>
赤血球の寿命が短くなる貧血を溶血性貧血といいます。
これはあまり日本では事例のない貧血です。
正常な赤血球の寿命は、120日といわれていますが、溶血性貧血になると、この寿命が10日ほどに短くなったり、血管や組織内で赤血球が破壊されてしまいます。
あまりにひどい状態になると、臓器の摘出なども考えられますので、症状が軽いうちに対処しなければいけません。
溶血性貧血は、大きく二つに分けることができます。
【先天性】
うまれつき赤血球の膜に異常がみられる球状赤血球症、楕円赤血球症などのほかに、ヘモグロビンの異常でみられる鎌状赤血球症があります。
先天性の溶血性貧血になると、赤血球が変形しにくくなり、毛細血管を通れず詰まってしまいます。
【後天性】
原因は、いくつかありますが、いちばん多く見られるのは、自らの赤血球を攻撃して、破壊してしまう自己免疫性によるもの。
マラソンなどで、強い衝撃が足の裏にかかり続けることで、赤血球が破壊されていくケースもあります。
血液細胞が減少!<再生不良貧血>
骨髄での造血機能そのものの機能が低下してしまい、赤血球、白血球、血小板などの血液の主成分であるすべてが減少してしまう難病。
また身体の抵抗力の低下などから、感染症になってしまったり、出血が止まらなくなるなどの症状があらわれます。
この貧血は、正確な原因がいまだ解明されていません。
女性の方が貧血にはなりやすい
貧血は、男性よりも比較的女性に多くみられるのも特徴のひとつ。
実際、男性は貧血にはなりにくく、その理由は、男性ホルモンの量の違いといわれています。
女性ホルモンに比べ、男性ホルモンは、血液を新たに作る指令を活発にします。
ですから、男性ホルモンが多いと貧血にはなりにくいのです。
成人女性の5人に1人は、貧血予備軍ともいわれており、自覚症状がない人も非常に多いといわれています。
それに対して、日本人の成人男性で、貧血に悩んでいる人は、2%以下。
いかに女性の方が貧血になりやすいかわかりますね。
ただし、貧血症状のある2%以下の男性は、他の病気の可能性もあります。
男性の貧血の原因の半数は、<消化管からの出血>といわれています。
悪性腫瘍などになってしまう場合もありますので、貧血症状のある男性は病院で診察を受けることをおすすめします!
ストレスも貧血の原因に!
仕事やプライベートなどで、ストレスを日常的に感じていると貧血を起こす場合もあります。
身体にストレスが加わると、全身の神経が興奮してしまい、一時緊張状態となります。
神経が興奮すると、全身を流れる血液の流れが悪くなり、アドレナリンやノルアドレナリンの分泌が過剰になります。
その結果、脾臓に負担をかけ、普段より脾臓の機能が低下し、赤血球が破壊され、貧血を引き起こすのです。
貧血にならないための対策法とは?
貧血にならないための対策は、症状などによってさまざまですが、まずは、赤血球を増やすことが先決です。
鉄欠乏性貧血の場合は、繰り返し起きてしまわないように、食生活から見直す必要もあります。
食事で鉄分を補おう!
食事は、一日3度、きっちり摂取することが大切。
また、バランスを考えるのも重要です。
女性は特に、朝食を抜いてしまったり、ダイエットなどによる食生活の乱れによって、鉄分が不足してしまうケースが目立ちます。
貧血を繰り返さないために、鉄分はもちろんですが、タンパク質やビタミン、葉酸を日ごろの食事からしっかり摂取しましょう。
鉄分が多く含まれている食べ物で代表的なのは、レバーです。
しかし、普段の食事に多く取り入れるのは難しいため、牛モモ肉、豚モモ肉などからも摂取できます。
他にも、マグロ、カツオ、サンマ、大豆、ホウレンソウ、ひじきなども多く含まれています。
栄養素が多く含まれている食べものはこちら!
- 鉄分 → レバー・牛モモ肉・豚モモ肉・ひじき・マグロ・カツオ・ホウレンソウなど
- ビタミンB12 → 牛・鶏のレバー・しじみなどの貝類など
- タンパク質 → ささみ・若鶏モモ肉・魚介類など
- 葉酸 → キャベツ・枝豆・アスパラなどの野菜全般
鉄分は、ビタミンCやリンゴ酸と一緒に摂取しよう!
貧血だから、鉄分を補給したい!でも、鉄分は吸収率がとても少なく、100グラム食べたとしても、8グラム程度しか体内には吸収されません。
他の栄養素と比べても極端に低いため、吸収率を上げる必要があります。
そんな時に、一緒に摂取しておきたいのが、ビタミンCやリンゴ酸です。
ビタミンCやリンゴ酸は、鉄分をオブラートのようにやさしく包みこんで、体内に吸収しやすい形にしてくれます。
ですから、鉄分を摂取する時は、必ずビタミンCとリンゴ酸を一緒に摂取しましょう!
サプリメント活用で効果倍増!
毎日の食生活の中に、サプリメントをうまく取り入れることで、貧血の予防効果が高まります。
病院でもらう錠剤は効き目が強いこともあり、吐き気や下痢に悩まされることも少なくありません。
その点、サプリメントは、含有量が少ないため飲みすぎなければ副作用が出ることもありませんので安心です。
貧血の症状が出てしまったら?
安静にして、血流を良くする
普段の生活の中で、実際に貧血の症状が出てしまったどうすればいいのか?
応急処置に必要なのは、まずは安静にすること。
そして、ベルトやボタンなどを緩めて、血流を良くしてあげることが大切です。
応急処置の手順としては、
- ベットやソファーなど、横になれるスペースで寝かせる(スペースなければ椅子などに座らせる)
- シャツのボタン、ベルトなどを、できるだけ身体をしめつけているものを緩める
- 毛布や上着などをかけ、身体をあたためてあげる
貧血時には、体温が下がります。
身体が冷えてくると精神的にも弱ってきてしまいますので、毛布などをかけてあたため、リラックスさせましょう。
またコンビニやスーパーなどで購入できる即効性のある栄養ドリンクも、応急処置には向いています。
症状が重い場合は、病院へ
自分でいくら予防や対策などを行っても、症状が緩和されない場合は、迷わず病院へ行きましょう!
内科、循環器科を受診するか、女性であれば、産婦人科に行くのもおすすめです。
他の疾患が隠れている場合も、他の専門医を紹介してくれるので安心です。
まとめ
いかがでしたか?
貧血の原因とその対策法、少しはお役に立ちましたか?
「たかが貧血」「もう慣れたから大丈夫」などと、軽く思わないでくださいね。
長く放置しないで、自分ができることからはじめて、できるかぎり改善に向かうように努めましょう!