トラウマの解消方法とは?治療にはカウンセリングや音楽が有効?


トラウマって外見からは分からないけれど、実は多くの人が抱えているのではないでしょうか。
どうしても忘れられない、負の記憶。
何度も思い出して嫌な記憶を再体験してしまう事こそ、トラウマに悩まされる大きな要因ですよね。
はたしてトラウマは、一生消えないものなのでしょうか。
そんなトラウマの解消方法について、ご紹介していきます。

目次

  1. トラウマとは?
  2. トラウマによる5つの影響
  3. トラウマの解消方法!カウンセリングや音楽がいい?
  4. トラウマを作らないためには?
  5. まとめ

トラウマとは?

トラウマは、「外傷」を意味する医学用語でドイツ語が語源となっています。
一般的には、心の傷の事をトラウマと言います。
いつまでもその時の記憶が鮮明に残り、どうしても忘れる事ができない嫌な記憶。
その記憶は、まさに心の傷を負った瞬間の記憶です。
それによって、自分の生活にも悪影響が出てくる事がトラウマの特徴なのです。

また、トラウマは脳のバランスが崩れて精神的にも肉体的にも異常を及ぼします。
感情を司っている右脳が活発になり、記憶を司る左脳の活動は弱まってしまうのです。
こうして体全体を司っている大切な脳のバランスが乱れる事で、肉体的にも様々な症状が現れてしまいます。

トラウマの症状とは

心の傷は、肉体的な目に見える傷と違って自分自身でも気付かない事も多くなっています。
長期的に原因不明の頭痛や体調不良を抱えている場合には、もしかしたらそれはトラウマによる症状かもしれません。
トラウマの主な症状としては、集中力の低下や体調不良、不眠などが挙げられます。
ただしこれらだけ見ると、一概にトラウマが原因であるとは特定しにくいものですよね。
だからこそ、トラウマは見つけにくいものと言えるのです。

トラウマの症状は、実は幼少期でも不眠や発達の遅れとして現れる事があります。
どんなに幼い子どもでも、トラウマを抱えてしまう可能性はあります。
特にまだ自分の言葉で気持ちを伝えられない子どもだからこそ、トラウマになりやすいものなのです。
また大人の場合、トラウマの精神的痛みから逃れるための防衛反応として、トラウマを再体験する事を回避する様になります。
トラウマを再体験しそうになると、過去に記憶が蘇りますよね。
これによって、記憶の混乱が起こる事もあります。
そして再度大きな傷を負わないために、無意識的に再体験を回避していくのです。

トラウマを消せない理由

トラウマは、心の傷を負った記憶がいつまでもフラッシュバックする事がとても厄介なものです。
この記憶さえ消す事ができれば、トラウマも一緒に消す事ができるのに・・・と悩む人も多い事でしょう。
しかし消したいと強く願えば願うほど、トラウマの記憶は強くなっていく一方なんですよね。
これは、「消したい」「忘れたい」と強く願うからこそ、その記憶にフォーカスする時間が長くなっている事が原因です。
忘れたいと思うほど、思い出してしまう訳です。
そして、思い出したらダメだと思うほど、記憶がループしてしまい悪循環に陥ってしまうのです。
人はダメといわれると逆らいたくなるものなので、「思い出したらダメ」と意識すればするほど無意識的に思い出してしまいます。
そして鮮明で臨場感のある記憶だからこそ、脳がより忘れない様に勝手に処理してしまうのです。
こうした悪循環で、トラウマはなかなか消す事ができないんですね。

PTSD

トラウマと近いもので良く聞かれるのが、PTSDです。
PTSDは、命にかかわる様な恐怖などを体験してトラウマを受けた場合に起こります。
出来事から2ヶ月以上経ってから発症するのが特徴で、そのほとんどは時間の経過と共に症状は自然と治まります。
PTSDにおける症状は、主に下記のものが挙げられます。

  • トラウマの記憶が何度もループする
  • 集中力の欠如
  • 不眠
  • 音や光に過敏に反応する
  • 異常なまでの警戒心
  • いらだちが目立つ

これを見る限り、トラウマの症状とそう大差がない事が分かります。
しかしトラウマは、自然と治る事は少ないものですよね。
その違いは、PTSDの場合はその原因がハッキリしている強すぎるトラウマによって、その症状が他人にも分かるレベルに現れてくる事が挙げられます。
一般的なトラウマは、他人からは気付かれないことがほとんどです。
ですがPTSDの場合は、原因の特定がしやすい事に加えて他人にも症状が確認されやすい特徴があります。
そのため、周囲の人の助けを経て治療を受ける事ができます。
治療だけでなくしっかりと療養できるだけでも、PTSDには効果的なのです。
この様に近い記憶で早くに対処するからこそ、自然に治る事が多いのがPTSDの特徴と言えます。

トラウマによる5つの影響

トラウマは、単に精神的な傷と言う訳ではありません。
トラウマが、人格形成に大きく影響する事も少なくないのです。
価値観や考え方、性格にも影響し、人生そのものに多大な影響を与える事もあります。

1.消極的になる

トラウマを抱えていると、物事に対して積極的になれない人が多くなっています。
またトラウマを負ってしまうリスクを避けようとして、何事にも消極的になってしまうのです。

2.マイナス思考になる

人は元々マイナス思考の傾向が強いものですが、トラウマを抱えているとよりマイナス思考が強くなってしまいます。
するとふさぎ込む事が多くなり、何事にもチャレンジできなくなってしまいます。

3.自分に自信が持てない

トラウマは、自信さえも奪ってしまう事があります。
自分の事を信じる事ができず、自分の存在価値すら疑ってしまう事もあるのです。

4.劣等感ばかり強くなる

例えば友人と一緒に歩いているだけだったとしても、何となく劣等感を感じてしまう事が多くなります。
ふとした時に、自分はダメな人間だと考えやすくなってしまうのです。

5.罪悪感にさいなまれる

自分は決して悪くないのに、自分を責めてしまう事も多くなります。
トラウマがある事で、自分に対する評価が低くなり罪悪感すら持ってしまうのです。

トラウマの解消方法!カウンセリングや音楽がいい?

人生に多大な影響を与えてしまうトラウマは、決して解消できないものではありません。
まずは積極的に、自分からトラウマを解消していく心掛けが大切です。
できる事から少しずつ、解消に向けて一歩を踏み出してみましょう。

トラウマの効果的な治療法とは

トラウマの効果的な治療は、記憶の見方を変えていく事にあります。
トラウマとなっている嫌な記憶の、良い面を見つけてみるのです。
とは言っても、トラウマとなっている位なのでその記憶は辛く悲しいものでしょう。
ただし自分にはトラウマでも、同じ経験をしてもトラウマにならない人もいます。
それは、物事に対する解釈の違いがあるからなんですよ。

物事には、必ず良い面と悪い面の両面からの見方ができます。
トラウマの記憶は、その悪い面ばかりがピックアップされてしまいます。
そのため、良い面に気付く事ができず悪循環に陥ってしまうのです。
まず辛い・悲しい記憶は、一度思い切って受け入れて感情を解放してあげましょう。
我慢して抑圧すればするほどストレスとなり、傷は深くなります。
辛すぎて記憶と向き合えない時には、時期を見計らって試してみましょう。
思う存分泣いたり怒ったりして、自分の感情に素直に向き合ってあげるのです。
するとその時は激しい感情に包まれても、それを超えれば心は次第に落ち着きを取り戻してきます。
こうして、まずはトラウマを抑圧せずに解放してあげましょう。
そうすると、トラウマが元で得られた良い面にも気付く事ができます。
例えば「自分で道を切り開く力がついた」「我慢強くなった」などの、今の自分にとってプラスとなる要素が見つかる様になるのです。

カウンセリングも有効?

トラウマの治療では、精神科や心療内科でのカウンセリングも有効です。
トラウマ解消には、主に認知行動療法が用いられます。
トラウマの記憶に対するとらえ方を変えていく事が、認知行動療法の目的です。
これには専門知識が必要となるので、ぜひ専門のカウンセラーに任せていきましょう。

どうしてもカウンセリングは嫌!という人は、トラウマと自分で向き合う事も有効です。
自分にとって絶対的に安全な人と一緒に、トラウマの記憶を再体験してみるのです。
これによって、「もう安全。大丈夫」と自分に教え込みます。
実際に体験する事が難しい場合には、イメージトレーニングも有効ですよ。
ただし始めのうちは、必ず信頼できる人と一緒に行っていきましょう。

音楽も活用!

音楽には、癒しの力があります。
ヒーリングミュージックや自分の好きな音楽を聴く事で、心を軽くする事ができますよ。
特にモーツァルトの音楽は音楽療法でも取り入れられる事が多く、おすすめです。

健康な体作りも大切!

体が疲れていると、心は負担を負いやすくなります。
逆に健康だと、ストレスが溜まりにくくなるのです。
毎日三食しっかり食べてしっかり眠る事を意識するだけでも、効果的ですよ。
そして、なるべく太陽の日差しを浴びる事も大切です。
太陽の日差しによってセロトニンが分泌されるので、ポジティブになりやすくなるんですよ。

トラウマを作らないためには?

トラウマを作らないようにするためには、心の傷になるべく早く対処する事が大切です。
嫌な事があったら、どんなに小さな出来事であったとしてもしっかりと向き合って感情を解放してあげましょう。
その上で、嫌な記憶があってこそ得られるものを考えるのです。
そして、未来への目標設定も大変有効です。
自分の作りたい未来、なりたい自分をしっかりとイメージする事で、どんな嫌な事も自分の糧にする事ができます。
未来の幸せに焦点を当てる事こそが、トラウマをなるべく作らない対策となるのです。
それでもトラウマを負ってしまったら、無理せず療養し心を休ませて癒してあげましょう。

まとめ

トラウマは、一生続くものではありません。
しっかりと対処すれば、解消できるものなのです。
まずはその意識をしっかりと持ち、トラウマと向き合ってみましょう。
どんな体験も、必ず今の自分の一部となっています。
そしてトラウマを活かす事ができれば、さらに自分を向上させる事ができるのです。
トラウマをステップアップにして、より良い人生を手に入れましょう!

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