「うちの旦那は高血圧で…」なんて会話がよく聞かれますよね。でも、高血圧って男性だけの症状ではないんです。
この記事では、女性にとっても怖い高血圧のあれこれをお伝えします。女性が特に気を付けたい時期や、近頃よく聞かれる「血圧サージ」など、気になる血圧についての情報をまとめていますので参考にしてみてくださいね。
目次
今さら聞けない!高血圧ってどうして怖い?
「血圧が高い」というとき、身体の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。
心臓は血液を体中に運ぶポンプのような役割を果たしています。血液が血管の中を流れるときに、血管の壁を押して圧力をかけます。この圧力を血圧と言います。血圧が高いということは、何らかの理由で血管に強い力がかかっているということになります。その「何らかの理由」というのが問題なのです。
高血圧により引き起こされる病気
血管に強い力がかかる理由には、血管の中を通る血液の量が増えているか、動脈硬化が進んで血管が狭くなり血液が流れにくくなっていることが考えられます。そのような状態を放置しておくと深刻な病気が引き起こされる可能性があります。
30代で高血圧と診断されても、「まだ若いから」と自分の症状を重く考えない人が多いかもしれません。もう少し年齢を重ねたら真剣に考えようと思っている人もいるでしょう。
しかし、考えてみてください。血管にコレステロールなどが付き動脈硬化が進んでいくと、血管がどんどん狭くなっていきます。その結果、血管を流れる血液の量が極端に減ったり、さらに悪いと血管が塞がってしまうこともあります。それが心臓や脳の血管で起こると重篤な症状を引き起こします。狭心症、心筋梗塞、脳梗塞といった病気は高齢者だけでなく30代、40代といった若手にも起こり得る病気です。
34歳の若さで亡くなった松田直樹さん
2011年に34歳という若さでこの世を去ったサッカー元日本代表、松田直樹さん。死因は急性心筋梗塞と発表されました。体重管理や運動不足とは縁のないプロスポーツ選手であっても、このようなことがあるのです。若いからというのは理由にはなりません。むしろ、若いからこそ油断しないように気を付けたいですね。
30代の高血圧の原因とは?
一般的に高血圧の原因として、まず塩分の摂りすぎが挙げられます。塩分をたくさん摂取すると、血中のナトリウムの濃度が上がります。身体はナトリウムの濃度を薄めるために水分を引き込み、血液の量を増やします。血液の量が増えることによって血圧が上がるというわけです。
また、加齢により血管のしなやかさが失われ動脈硬化が進むことも高血圧の原因となります。さらに暖かい場所から急に寒いところに行くなどの温度変化も原因となります。
しかし、若い人が気を付けるべき原因とは何でしょうか。
ストレス
職場でも、若手から中堅に移行し責任の重い仕事を任されたり、部下を束ねる立場になるなど、環境が変わってくるのが30代。と同時に、プライベートでも家庭を持つなど、自由に歩んできた20代とは大きな変化が起こります。強いストレスや、緊張状態が続くことは交感神経の働きを高め、血管を収縮させてしまいます。
睡眠不足
仕事、恋愛、家事、育児など忙しくも充実した毎日を送る30代。時間はいくらあっても足りませんよね。家に仕事を持ち帰ったり、夜な夜な家事をこなしたり…寝る時間も惜しんで活動している人も多いでしょう。まだまだ若いとはいえ、睡眠不足気味の生活が続くと動脈硬化が進んでくる可能性があります。
乱れた食生活
外食やファストフードが中心の食生活は、前述したとおり塩分摂りすぎとなってしまいます。若い頃は血管がしなやかで元気なため、すぐに動脈硬化につながることはないかもしれません。しかし、乱れた食生活を続けていくと、動脈硬化の原因となるコレステロールを確実に蓄積させてしまいます。
過度の飲酒や喫煙
適度の飲酒は、逆に血圧を下げる効果があるとされていますが、過度の飲酒は高血圧の原因となるようです。交感神経の活動が活発になることにより、血管が収縮して拍動が速まるのがその理由です。また、お酒を飲むときには、チーズやから揚げ、ポテトなど塩辛いものを食べたくなりますよね。この塩分多めのおつまみも高血圧の原因となるようです。
さらにたばこの煙に含まれるニコチンや一酸化炭素の有害物質は、交感神経を刺激して血圧を上昇させます。また、それらの有害物質が血管を傷つけ血液を流れにくい状態にすることも分かっています。
ストレスが溜まりがちな30代ですが、喫煙やお酒の飲み過ぎによるストレス発散方法はおすすめできません。
女性が気を付けたい時期って?
男女問わず気を付けたい生活習慣のほかに、女性が特に気を付けたい時期があります。
妊娠、出産
妊娠前には問題がなかったのに、妊娠してから高血圧になることがあります。妊娠20週以降から出産後12週まで高血圧がみられる場合、または、高血圧に蛋白尿を伴う場合を妊娠高血圧症候群と呼びます。
妊娠高血圧症候群になりやすい人について、35歳以上であること、肥満、高血圧や腎臓病、糖尿病といった持病を患っていることなどが挙げられますが、妊娠高血圧症候群になる理由ははっきりとは分かっていません。
妊娠高血圧症候群になると、胎盤早期剥離や脳血管障害、けいれんなど母子ともに重篤な症状が起こる可能性があります。妊娠中にママが気付きにくいこともあるようですので、産婦人科による定期的な検査を受けることが必要です。
更年期
男女で比較したとき、高血圧と診断されるのは男性の方が多いようです。その理由の一つは、女性特有のホルモンが影響しています。女性ホルモンであるエストロゲンは血管をしなやかに保つ働きをしています。しかし、40代に入りエストロゲンが減少し始めると、血管のしなやかさが失われるため血圧が上昇していく傾向があるのです。今まで低血圧だったのに更年期に入って高血圧に悩まされるようになった女性も多いようです。
ポイントは自己管理
定期的な健康診断も大切ですが、自分の身体の状態を知るには、家庭で毎日血圧を測るのがおすすめです。どのように測ったらよいのか、今話題のキーワード「血圧サージ」とあわせて次に取り上げます。
今話題の血圧サージに気を付けるには?
「血圧サージ」。最近よく耳にする言葉ですよね。NHKのテレビ番組の中で取り上げられて注目されているキーワードです。
健康な人でも一日の中で血圧は上がったり下がったりと変動をしていきます。朝から日中にかけては上がっていき、夜は下がっていくというわけです。しかし、朝や睡眠中など血圧が低下しているはずのときに高いままの状態であり続けるといった症状は、健康診断でも見過ごされてきました。原因は交感神経の働きが異常となっていることによります。その結果、血圧の異常な上がり下がりが起こってしまうそうです。この異常な上がり下がりを血圧サージと呼んでいます。
ホームページによると
(引用:
http://www.nhk.or.jp/special/surge/detail.html)
とされています。
血圧サージのリスクとは?
異常な血圧の上がり下がりが一度あったからといって、すぐに重篤な病気になるわけではありません。しかし、その状態が繰り返されることによって脳卒中や心臓病のリスクが高まることが分かってきたそうです。
血圧サージを引き起こす要因は、交感神経が異常な働きをすること。その原因となるのは、加齢、塩分の摂りすぎ、肥満、飲酒、喫煙です。ただ、原因に気を付けていたとしても、自分に血圧サージが起こっているかを見極める必要があります。
家庭で血圧を測る
そこで、毎朝自分自身で血圧を測るのがおすすめです。特に、血圧サージは交感神経が活性化しやすい早朝に起きやすいので、起床後、トイレを済ませてから測るのが良いとされています。
血圧サージの目安
最高が135mmHg以上、最低が85mmHg以上は血圧サージのリスクが高いようです。
5日間連続して測り、最高値と最低値の差が20mmHg以上あるようなら注意が必要とのこと。
健康診断でも見逃されやすい血圧サージですが、年齢に関係なくセルフチェックをおこなうことで大きな病気にかかるリスクを事前に避けることができるかもしれません。
おすすめの家庭血圧計を紹介
高血圧のリスクを回避するにはセルフチェックが必要ということで、おすすめの家庭で使用できる血圧計をご紹介します。
デジタル自動血圧計 HEM-1000/オムロン
(引用:
https://www.healthcare.omron.co.jp/product/hem/hem-1000.html)
オムロンのデジタル自動血圧計です。腕を通すだけで正しい測定姿勢をつくることができ、より正確な血圧測定ができるためおすすめです。
上腕式血圧計 HEM-7600T/オムロン
(引用:
https://www.healthcare.omron.co.jp/product/hem/hem-7600t.html)
血圧計って、カフ(腕帯)がなんともごちゃごちゃして邪魔だったり、片づけにくいと感じることはありませんか。オムロンの本体とカフが一体化したチューブレスタイプの上腕式血圧計であれば、そのお悩みも解決します。本体に腕を通して装着し、測定ボタンを押すだけで、簡単に測定できちゃいます。
まとめ
若くても気を付けたい高血圧や今話題の血圧サージについて取り上げました。鍵は家庭でのセルフチェックをおこなうことのようです。
働き盛りの30代。家族の為にもリスクを回避して健康でいたいですよね。