いつも気分が優れず、ずっとうつむき気味になっている。
毎日楽しい事がなく、ひたすら同じ事の繰り返しに思える。
もしかしたら、それはうつ病の初期症状かもしれません。
ストレス社会と言われる現代は、誰もが心の病気になる可能性があります。
どんなにポジティブな人だって、うつ病は他人事ではないのです。
目次
うつってどんな病気?
一生のうちでうつ病を経験する人は、約13人に1人とされています。
しかしその3/4は、うつ病の治療をしていないといわれているんです。
うつ病は大変身近な病気でありながら、まだ正しい認識と治療法が広く知られていないものなのです。
うつ病は精神疾患の一つで、発病のはっきりした原因はまだ解明されていません。
しかし、さまざまな理由により発病してしまう可能性があることは分かっています。
例えば過度のストレスや、幼少期の経験、慢性的な身体的疲労など。
こうした原因が心に大きな負担を強いてしまう事により、うつ病は発症してしまうのです。
うつ病のメカニズム
うつ病のメカニズムは、まだしっかりとは解明されていません。
しかし、有力な仮説があるのでご紹介しましょう。
うつ病は、脳の病気とも言われることがあります。
脳内の神経伝達物質が減少してしまう事によって、感情と行動が伴わなくなってしまうのです。
神経伝達物質には様々な種類がありますが、中でもセロトニンは精神を安定させる上で大変重要な物質です。
セロトニンは、喜びを司るドーパミンと不安を司るノルアドレナリンの二つを制御してくれるのです。
しかしこのセロトニンが減少してしまうと、ドーパミンとノルアドレナリンの制御ができなくなってしまい精神的に不安定になってしまいます。
またセロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、これが減少してしまうと幸福感を得にくくなってしまうのです。
こうしたホルモンや神経伝達物質の乱れによって、うつ病は発病すると言われています。
そのため投薬などによる治療が、うつ病の治療には有効となってきます。
「うつ病の治療は精神科」というイメージが強い人が多いと思いますが、確かに精神科や心療内科でも治療を行っています。
そこでの治療はカウンセリングや投薬によるもので、身体的な病院での治療と何ら変わりはありません。
また「うつ病は心が弱いからなる」と考える人も多くいますが、決してそんな事はありません。
誰にだって、うつ病になる可能性は十分にあるのです。
うつ病は早期発見が大事!
うつ病は、自分ではなかなか気付きにくいものです。
そこで、周囲の人がなるべく早い段階で気付いてあげる必要があります。
- 最近笑顔が減った
- 最近疲れやすくなっている
- なんだか無気力
- 集中しにくくなっている
- ぼーっとしている時間が増えた
- 何をしていても楽しくなさそう
こうした症状が見えたら、それはもしかしたらうつ病かもしれません。
ぜひ早い段階で、医療機関を受診しましょう。
うつ病は、精神科・心療内科・メンタルクリニックなどでの受診となります。
一昔前までは大変暗いイメージの合ったこれらの病院ですが、現在ではそんな雰囲気は一切ありません。
ぜひ自分に合った病院を選んで、気負う事なく受診してみましょう。
うつ病は予防できる?
うつ病になりやすい傾向にあるのは、完璧主義の人や責任感の強い真面目なタイプと言われています。
そんなうつ病は、考え方をちょっと工夫するだけで予防しやすくなるんですよ。
真面目な人ほど、何に対しても完璧を求めてしまうものです。
しかし「この程度でOK!」と思える様な、楽観主義を取り入れる事が大切です。
自分を追い詰めすぎない事が、うつ病の予防には大切なのです。
そして、日光を適度に浴びる事も大切です。
日光浴をすると、セロトニンが分泌されるのでうつ病の予防に役立ちます。
また適度な運動や栄養バランスの良い食事も、予防には効果的ですよ。
何より、ストレスをためすぎない事がとても重要なのです。
音楽療法ってどんなもの?
音楽療法は、うつ病の治療に取り入れられる事もある治療方法です。
もちろん薬や外科的な処置をする様な、治療方法ではありません。
音楽が持つ様々なメリットを活かした、心に働きかける療法なのです。
私たちの生活では、音楽がとても身近となっています。
様々なタイプの音楽が町には溢れ、そのジャンルはクラシックからメタルやクラブミュージックなど大変多岐に渡ります。
こうした音楽には、人をリラックスさせたり興奮状態にしたり、幸せな気分にしてくれる効果があるんです。
日本における音楽療法は、まだまだ途上の段階となっています。
しかしその効果は高いとされており、様々な場面で活用されているのです。
例えば病院や児童施設、高齢者施設、さらに健康維持のためにも活用されているんですよ。
音楽療法の種類
音楽療法には、大きく分けて2つの種類があります。
まずは、能動的音楽療法です。
これは対象者が歌ったり楽器を演奏するなどして、直接音楽に触れ合って効果を得る方法です。
特に子供などに効果的とされていて、ダンスなども取り入れられる事が多くなっています。
もう一つが受動的音楽療法で、音楽を聴く事で効果を得るものです。
これならば、高齢者や入院している方でも気軽に取り入れられますよね。
こうして相手に合った方法で実践できるのも、音楽療法のメリットと言えます。
音楽療法を受けるためには?
実際に音楽療法を受けるためには、音楽療法を行っている医療機関を探す必要があります。
まだまだ下火となっている音楽療法は、医療として取り入れている医療機関もまだ少なくなっています。
うつ病などで音楽療法を受けたい場合は、心療内科などで相談してみると良いでしょう。
心療内科によっては、治療の一環として音楽療法を取り入れている場所もあるかもしれませんよ。
また、音楽療法は民間の企業などで行っているイベントなどで受けられる事もあります。
こうしたイベントなどを利用して、ぜひ一度音楽療法を受けてみましょう。
音楽療法の効果とは?
音楽と精神には、密接な関係があります。
それがどの様なメカニズムであるかはまだ解明されていませんが、音楽によって感情や記憶が刺激されるという経験は誰しもあるのではないでしょうか。
そんな音楽を使った音楽療法には、ストレスを軽減させてくれる効果があります。
音楽を聴く事によって、リラックスしてストレスホルモンを減少させてくれるのです。
また音楽を聞いている時は、脳内でリラックスした時に現れるα波が出る事も分かっています。
これによって、例えば痛みを軽減したりうつ状態を緩和、そして発話能力の回復などが見込まれているのです。
うつにはクラシック音楽が効果的?
音楽には非常に様々なジャンルがありますが、うつ病の場合にはリラックスできる音楽が大変有効です。
リラックスできる音楽として代表的なのは、クラシックですね。
モーツァルトの曲は、特にリラックス効果が高いとして有名です。
それ以外にも、ショパンやシューマンなどの優しい曲もおすすめです。
クラシック音楽は、一般的にリラックス効果が高いとされています。
しかしそれ以外にも、自分がリラックスできる音楽があればぜひ活用していきましょう。
人によって、音楽の趣味は全く違ってきます。
そのため、自分に合ったものを選ぶ事が大切なのです。
音楽療法の上手な活かし方
音楽療法は、日本ではまだ認知度もあまり高くありません。
音楽療法を受けられる機会も、そう身近にはないものなのです。
しかし音楽は、いつも私たちの身近にあります。
最近では、スマホなどを使って手軽に好きな音楽を聴く事もできる様になりました。
そこで、音楽を聴く習慣をつけていくと健康にもうつ病の改善・予防に効果的です。
音楽療法は、専門である音楽療法士が行う事が一番効果的ではあります。
しかし音楽を聴く事だけでも、十分に音楽療法の様な効果を得る事はできるのです。
音楽療法とは、つまり音楽によって今よりも良い心身の状態を目指す事にあります。
そのため、自分の好きな音楽をゆっくりと楽しめる時間を作る事でも音楽療法と同じ様な効果が得られるはずなのです。
実は音楽療法は、専門の資格がなくても誰でも行えるものとされています。
それは音楽そのものが持つ力が大きく、音楽を聴くだけでも十分な効果があるからではないでしょうか。
音楽療法士は、そんな音楽の力を「癒し」として存分に効果を発揮させる事ができるプロと言えます。
私たちはそこまではできなくとも、自分なりに音楽を楽しむ事はできます。
それこそ、身近な音楽を効果的に活用する一番の方法なのではないでしょうか。
まとめ
うつ病は、いつ誰が発病してもおかしくない病気です。
そんなうつ病は、投薬やカウンセリングで治療していくイメージが強いものですが、音楽療法も大変効果的と考えられているんですよ。
実際音楽には、人の心を癒す力があります。
脳をリラックス状態にし、さらにストレスを軽減させてくれるのです。
これこそ、音楽が持つ最大の効果と言えますよね。
音楽は、誰でも簡単に気軽に楽しめる娯楽です。
そんな音楽を毎日聞ける習慣をつけていけば、うつ病の予防にも効果があるかもしれません。
さらに、うつ病の症状の緩和にも有効と考えられます。
時にはカラオケなどへ出向いて、思いっきり好きな曲を熱唱してみるのも良さそうですね。
ただしうつ病の症状が悪化している場合には、自分だけで治療を行うなどの判断は禁物です。
まずは医療機関での受診を経て、症状に合った治療を受けていきましょう。
それと並行して音楽の力を活用していけば、治療も効率的に進む事でしょう。
うつ病は、心だけでなく脳にも大きく関係する病気です。
決して軽視せず早めに対処し、音楽の力も借りて治療していきましょう。