ビフィズス菌と乳酸菌という名前はあなたも聞いたことがあると思いますが、その違いについて知っていますか?同じようなものと思っている人も多いと思いますが、別の種類で働きも性質も異なります。また、ビフィズス菌と乳酸菌は同時にオリゴ糖も摂取すると効果的というのを知っていますか?今回はビフィズス菌と乳酸菌の違いや摂り方についてお話しします。
目次
ビフィズス菌と乳酸菌の効果って?
ビフィズス菌と乳酸菌はどちらもお腹に良い菌として知られていますが、性質や働きも異なる全く別の菌です。しかし、お腹の調子を整える菌の代表という点では共通しています。まずは共通点について知っておきましょう。
どちらも善玉菌の1種である
ビフィズス菌と乳酸菌はどちらも善玉菌であり、お腹にとって良い働きを持っている菌です。善玉菌は人にとって悪さをする悪玉菌をやっつけて、お腹の調子を整えてくれる作用があります。腸内環境を整えるためには、善玉菌を増やすことが大事であり、ビフィズス菌と乳酸菌を増やすことが基本中の基本といえます。
ビフィズス菌と乳酸菌の効果
ビフィズス菌と乳酸菌の効果は、お腹の調子を整える整腸作用だけではありません。ビフィズス菌と乳酸菌の効果についてご紹介します。
整腸作用
便秘や下痢に悩んでいるという方はいませんか?便秘や下痢の原因には、食事、ストレス、感染症、冷えや何らかの病気など様々な理由が考えられますが、腸内環境の乱れが起きていることが多いと考えられています。腸内環境の乱れというのは、悪玉菌の勢力が強くなり、善玉菌が減ってしまっている状態のことです。悪玉菌が増えると腸内でガスを発生しやすくなり、便秘を引き起こしたり、肌荒れにも繋がります。
ビフィズス菌、乳酸菌は腸の中で糖分をエサとして、酸を作り出すことができます。酸の力によって悪玉菌が住みにくい環境を作り、殺菌作用を発揮してくれます。結果として悪玉菌が減って、善玉菌が増えるので腸内環境を整える効果をもたらします。
アレルギー症状の改善
アレルギーというと、花粉症やアトピー性皮膚炎があります。このアレルギーには免疫力が関係しています。免疫力というのは、外から入ってきた異物に対して身を守るためのバリア機能のことです。免疫にはさまざまな免疫細胞などが関わっていますが、その多くが腸内で作られています。腸と免疫力には深い関係があるのです。
乳酸菌やビフィズス菌の中には、免疫細胞の働きを高めてアレルギー症状を改善してくれる作用を持つ菌がいることが分かってきています。アレルギー症状だけでなく、風邪やインフルエンザの予防にもこれらの菌を取り入れて増やすことが効果的です。
ビタミンを作り出す
忘れてはならない作用として、ビタミンを作り出す作用があります。ビタミンというと野菜やフルーツなどの食べ物から取り入れるものと思われがちですが、ビタミンの一部は体の中で作ることができるのです。腸内細菌の働きによって、ビタミンB群やビタミンKなどが作られています。
ビフィズス菌と乳酸菌の4つの違いとは?
以上のようにビフィズス菌と乳酸菌には共通した効果が多くあります。では、どんな違いがあるの?と疑問に思う方も多いはずです。ビフィズス菌と乳酸菌には次のような違いがあります。
- 作り出す酸が違う
- 住む場所が異なる
- 食べ物に含まれるかの違い
- 働きの違い
作り出す酸が違う、とは?
ビフィズス菌も乳酸菌も体内で食べ物から摂取した糖分をエサとして、酸を発生させることができます。乳酸菌は名前の通り乳酸を発生させることができる菌です。それに対して、ビフィズス菌は乳酸だけでなく、強い酸性度の酢酸も発生させることができます。すなわち、ビフィズス菌には悪玉菌を殺菌する強い作用があると考えられています。
住む場所が異なる、とは?
ビフィズス菌と乳酸菌は腸内に住んでいますが、厳密に言うと住んでいる場所が少し違うのをご存知でしょうか。乳酸菌は主に小腸に住んでいて、小腸の消化吸収の働きを助けたり、免疫力の維持などにも関わっています。ビフィズス菌の方は主に大腸に住んでいます。ビフィズス菌は酸素があると生きて行けないので、酸素の無い環境の大腸でしか生きていけないのです。
食べ物に含まれるかの違い、とは?
乳酸菌はヒトの腸のみならず、食べ物にも含まれています。有名なのはヨーグルトですが、他にもキムチやぬか漬けなどの漬物といった発酵食品にも含まれています。乳酸菌は酸素があるところでも生きていけるので、ヒトの腸内だけでなく食品にも含まれているのです。
それに対して、ビフィズス菌は大腸の中でしか生きることができないので、基本的には食べ物には含まれません。「ヨーグルトに入っているのでは?」と思う方も多いと思いますが、ヨーグルトには本来はビフィズス菌は含まれません。後からビフィズス菌を添加しているのです。
働きの違い、とは?
乳酸菌、ビフィズス菌といっても、それぞれに沢山の種類が存在しています。その種類ごとに作用が異なることも分かってきています。また、菌の量にも違いがあり、大便中に圧倒的に多く含まれるのはビフィズス菌の方です。だったら、乳酸菌よりもビフィズス菌の方が大事なのかな?と思われてしまいそうですが、乳酸菌にはビフィズス菌を増やす作用もあるので、どちらも大事です。
ビフィズス菌と乳酸菌の摂り方
ビフィズス菌と乳酸菌はどちらも大事であり、どちらかだけを増やせば良いものではありません。バランスの良い腸内環境を維持するには、ビフィズス菌も乳酸菌も腸内で増やしていくことが大切です。どのように腸内のビフィズス菌と乳酸菌を増やせば良いのか、方法についてご紹介します。
食べ物で増やす
ビフィズス菌と乳酸菌を腸内で育てるには、食事を工夫することがまずは1つの方法です。まずは、これらの善玉菌を増やすには、ヨーグルト、乳酸菌飲料や納豆などを続けて摂取することです。1回食べたくらいでは増えないので、同じ種類をしばらく続けることが大切です。また、食物繊維を取り入れた食生活は悪玉菌が増えにくい環境を作り出します。玄米、野菜(ごぼうなどの根菜類)、いも類、海藻類などを意識して取り入れると良いでしょう。
サプリメントで増やす
乳酸菌やビフィズス菌は食べ物でも増やすことは可能ですが、毎日同じような食品を摂り続けるのは難しいでしょう。また、十分な量を食べるのも大変なことで、多くの場合では不足しがちです。そこでおすすめなのがサプリメントです。
乳酸菌やビフィズス菌を含んだサプリメントとして、錠剤、カプセル、パウダーなどさまざまなタイプがあります。携帯性にも優れていて、飲みやすいので続けやすいのが大きなメリットです。また、含まれている菌の種類にもバリエーションがあり、お悩みによって選ぶこともできます。
心配な場合はお医者さんに相談
ただし、サプリメントは薬ではなく食品であるため、治療のために服用することはおすすめできません。もし、何らかの不調で悩んでいる場合には、原因を突き止めて適切な対処をするためにも、早めにお医者さんなどに相談するようにしましょう。
同時に摂りたいオリゴ糖って?
乳酸菌やビフィズス菌を増やしたい場合には、そのもの自体を摂取するのも良いのですが、さらに増やしてくれる作用がある成分を同時に摂るのがおすすめです。そこでご紹介したいのがオリゴ糖です。
オリゴ糖とは?
オリゴ糖は天然にも存在する糖類の1種で、例えば、玉ねぎ、はちみつ、きなこ、ヤーコンなどの食品に含まれています。このオリゴ糖は乳酸菌やビフィズス菌のエサとなって、これらが腸内で増えるのを助けてくれる作用があります。
オリゴ糖にも種類がある
オリゴ糖と言っても実は種類がいくつかあるのをご存知でしょうか?オリゴ糖の種類としては次のようなものが挙げられます。
- イソマルトオリゴ糖
- ガラクトオリゴ糖
- 大豆オリゴ糖
- フラクトオリゴ糖
これらのオリゴ糖はそれぞれ違った種類の食品に含まれます。例えば、フラクトオリゴ糖はアスパラガス、玉ねぎ、にんにくなどに含まれますが、ガラクトオリゴ糖は母乳や牛乳などに含まれています。それぞれ食品から摂取するのも効果的ではありますが、多く含まれているてんさいという野菜ですらも5%程度になってしまいます。
オリゴ糖はサプリや健康食品でとろう
十分な効果を実感したいという場合には、サプリメントや健康食品を活用するのがおすすめです。手に入りやすいものだと、スーパーなどにも売られているシロップタイプのオリゴ糖があります。砂糖を売っているコーナーをチェックしてみましょう。また、サプリメントとしてはパウダータイプなども売られています。飲み物などに加えて手軽に取り入れられますよ。
また、乳酸菌やビフィズス菌のサプリに同時に配合されているものもあります。別々に摂取してももちろん大丈夫ですが、面倒な方はあらかじめ同時に配合されているタイプを使うと良いでしょう。
摂りすぎには要注意!
いくらお腹に良いとはいっても摂りすぎるのはいけません。過剰に摂取してしまうと、お腹が緩くなってしまう場合もあるため少量ずつ試してみることをおすすめします。また、糖分には変わりないため、糖分の過剰摂取にもなりかねません。決められた量は守るようにしましょう。
さいごに
ビフィズス菌と乳酸菌の効果や特徴の違いについて説明しましたがいかがでしたか?似ているようで違う特徴を持っていて、どちらも大事であることが理解できたでしょうか。毎日の食事で意識して工夫することはもちろん大事ですが、もし難しい場合にはサプリメントを活用するのが簡単で便利です。あなたにあった方法を見つけて、腸内環境を健康に維持していくようにしましょう。