高齢者だけでなく、若い世代でも発症する事のある「認知症」。
認知症は誰もが決して他人事ではない病気で、いつ発症してもおかしくないとも言えるんですよ。
そんな認知症、出来るものなら予防していきたいですよね。
今回は、認知症の原因や予防策等をまとめてみました。
目次
認知症ってどんな病気?
認知症とは、加齢を含む何らかの理由により脳の機能が衰えてしまったり細胞が壊死してしまう事により起こる病気とされています。
人間の活動の大半に欠かせない脳は、私たちが生きていく上で大変重要な役割を果たしています。
手足を動かす、言葉を話すといった基本的な事も、脳からの命令があって始めて動作となるのです。
この脳が正常通りに働かなくなってしまう事で起こる様々な障害を、認知症と呼ぶのです。
特に65歳以上の高齢者に多いとされている認知症ですが、現在ではなんと高齢者の約4人に1人は認知症の可能性があるとされているんですよ。
また患者数は年々増加傾向にあるとされ、約10年後には現在の約1.5倍もの人が認知症になると言われています。
これは高齢化社会が進んでいる事と、食生活の改善や医療の飛躍的な進化により寿命が大幅に伸びている事が理由と考えられているのです。
認知症の症状とは?
認知症の症状には、大きく分けて2つの種類があります。
脳の機能低下による「中核症状」と呼ばれるものと、自分自身の性格や環境による「周辺症状」です。
この2種類からも分かる様に、性格や環境も症状に大きく関係してくるので認知症の症状は人によって様々となっているんです。
まずは、中核症状の主なものを見てみましょう。
中核症状
- 記憶障害
- 日時や場所、方向感覚がなくなる
- 判断力の低下
- 言葉が理解できなくなる・話せなくなる
- 服を着る等の基本的な行動ができなくなる
そして周辺症状にも、様々な症状があります。
周辺症状
- 徘徊
- 妄想
- 失禁
- 幻覚
- うつ
必ずしも、これら全ての症状が出る訳ではありません。
これらの症状が、認知症の種類や性格・環境によって様々に入り混じって出てくるのが認知症なのです。
認知症の種類
認知症には主に3つの種類があり、これを三大認知症と呼びます。
全体の認知症のうちの85%が、この三大認知症だとされているんです。
中でも一番多いとされているのが、認知症全体の約50%を占める「アルツハイマー型認知症」です。
そして次いで20%を占める「レビー小体型認知症」、そして15%となる「血管性認知症」です。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、脳の正常な神経細胞が壊れてしまう事が原因だとされています。
これはアミロイドベータと呼ばれるたんぱく質が溜まってしまうから起こるとされていますが、蓄積してしまう理由はまだ解明されていません。
初期症状は2~6年となり、主に記憶障害が起こってきます。
やがて中期症状となり2~3年は更なる記憶障害や徘徊、失禁等の症状が出てきます。
後期になると言葉の理解が難しくなり、寝たきりとなってしまう可能性も高いとされています。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、脳にレビー小体というたんぱく質が蓄積する事で起こるとされています。
レビー小体が溜まってしまう理由はやはり解明されていませんが、これが原因でパーキンソン病になってしまう事もあると言われています。
このタイプの認知症では歩く事が困難となり、幻覚等の症状も現れます。
また気分の変化が大きいのも特徴で、突然態度や行動が変わってしまう事も多々あります。
血管性認知症
そして脳血管性認知症の場合には、脳梗塞や脳出血等によって脳の血管に障害が起こる事が原因とされています。
初期には意欲低下や不眠等の症状が出てきますが、人によっては自覚症状がない場合もあります。
中期以降となると、脳の血管障害が起きた箇所によって症状が大きく異なってきます。
また血流がどんどん悪くなってしまうため、その症状は日々大きくなっていく事が特徴とされています。
治療法はあるの?
認知症は、その原因が分かっていないものがほとんどです。
そのため、治療法もほとんど確立していないのが実情となっています。
しかし脳血管性認知症のケースでは、脳の血管障害が原因と分かっています。
早期に発見して手術などの適切な治療を行い、リハビリを行う事で治療は可能とも言われているんです。
また血管障害は、主に生活習慣病が原因で起こるとされています。
そのため生活習慣を改善するだけでも、脳血管性認知症は予防する事が可能なんです。
特に高血圧、高脂血症、糖尿病に気を付けていれば、予防に大きく役立つとされています。
予防策はゲームや食べ物やアロマ?
認知症が増加する一方で、予防策もどんどんと出てきていますよね。
しかし食べ物での予防は何となく分かりますが、ゲームやアロマってちょっと予防策としては突飛に見えますよね。
生活習慣で発症する事も多いにある認知症ですから、毎日の食事に気を付けていく事はもちろん大切です。
では、ゲームはなぜ予防策として有名となっているのでしょうか。
ゲームはなぜ認知症予防になるの?
ゲームをするという事は、脳をしっかりと働かせるという事に繋がります。
年を重ねると、どんどんと脳を使う機会が減ってきてしまいます。
すると脳の機能もみるみる衰えてしまうので、積極的に脳を使う事が予防に繋がるとされているんです。
中でも手軽に脳を使えるのが、ゲームなんですね。
最近ではゲームの種類も多種多様化しており、それぞれの趣味にあった様々なゲームを自宅にいながら様々な形で楽しむ事ができます。
体力も衰えてしまう高齢者には、自宅で気軽に楽しめるゲームは脳を使うのに最適と言えるんです。
アロマはなぜ認知症予防になるの?
そしてアロマに関しては、主にアルツハイマー型認知症に予防効果が期待されている方法です。
アルツハイマー型認知症の場合、記憶障害が発生する前に嗅覚障害が生じるという研究結果が発表されています。
また別の研究ではアロマを定期的に使用すると、脳が活性化するというデータが出ているのです。
これにより、アロマも認知症の予防策として有効とされているんですよ。
アロマには数多くの種類がありますが、認知症に効果があるとされているのは下記の4つです。
- ローズマリー・カンファー
- レモン
- 真正ラベンダー
- オレンジ・スウィート
日常生活の中でもリラックス効果が得られるアロマですから、手軽に認知症予防も出来そうですね!
認知症対策8選!
認知症対策としては、やはり脳をしっかりと働かせていく事が非常に有効とされています。
そんな対策の中から、おすすめなものを8つご紹介します!
1.バランスの良い食事
まずは健康な体作りを心がけていく事が大切です。
塩分を控えめにするだけでも、認知症の発症リスクは下がってきます。
毎日3食、栄養バランスの取れた食事を摂る様に心がけていきましょう。
2.十分な睡眠
十分な睡眠を取ると、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドベータが蓄積しにくいという報告があります。
また睡眠は脳の老廃物を除去してくれる働きもありますので、毎日しっかりと眠る事が大切なのです。
夜なかなか眠れないという人は、30分以内の昼寝をすると認知症のリスクが下がると言われているんですよ。
3.ゲームをする
パズルや将棋、オセロなどのゲームは、脳を使うので認知症対策に効果的です。
また折り紙等の手先を使うものや、絵を書くといった事も有効ですよ。
テレビゲームでも、種類によっては効果があるものも多い様です。
興味のあるゲームを選んで、楽しみながら対策ができたら良いですね!
4.読み書きをする
手紙を書いたり、簡単な計算をしてみる等といった事も、脳を有効に働かせてくれます。
特に年を重ねるとこうした事をする機会も減ってきますので、手紙を書く習慣を付けておくのも良いかもしれません。
5.新しい事を始める
新しい事を始めるのは、脳を活性化するのに非常に良いとされています。
ピアノや編み物、パソコンなんかでも良いかもしれませんね。
今までやった事がないもの程、脳をしっかりと使う事になるので良いですよ!
6.歌を歌う
音楽療法という手法がある位、音楽には人を癒す力があるとされています。
特に歌を歌うという事は、メロディーを記憶したり歌詞を記憶するので脳を刺激するのにも有効なんですよ。
そしてリラックス効果もバツグンなので、大変おすすめです。
7.人と話す
定期的に人と話すという事も、脳にとっては非常に大切です。
会話をするというだけでも、脳にはかなりの刺激になるのです。
特に思い出話をすると、記憶力を維持するのに効果的ですよ。
8.笑う
笑顔には、様々な良い効果があるとされています。
その明確な理由は明らかになっていない部分が多いですが、笑いが健康に良いのは明らかと言えます。
何よりストレスを軽減させてくれますので、毎日しっかりと笑う事が大切なんですよ!
まとめ
高齢化社会のなった事や医療の発展に伴い、高齢者に特に増えている「認知症」。
しかし最近では若年性認知症も多くなってきている事から、誰もがしっかりと知識を得ておかなければならない病気となってきています。
様々な種類がある認知症ですから、その症状も様々となっています。
しかし種類によっては、早期発見できれば治療する事も可能です。
毎日の生活の中で少しでも変わった事があればすぐに受診したり、定期健診を受けていく事も予防に繋がりそうですね。
そして認知症予防には、脳を積極的に使う事が大変有効です。
その人に合わせた予防法で、毎日の生活の中で無理なく認知症を予防していきたいですね。
中でも「人と話す」や「笑う」といった事は、誰もが簡単にできる予防策です。
自分だけでなく家族や親戚、近所の方でも、コミュニケーションを取っていく事が大変有効となるのです。
最近の出来事を話すだけでも良し、昔話に花を咲かせるのも大変良いです。
こうしたちょっとした心がけをして、是非少しでも認知症を予防していきたいですね。