「おむつとれた?」
授乳が終わってほっとしたのもつかの間。食事の習慣が安定し、歩行がしっかりしてくると次に気になるのは、おむつはずれです。周りのお友達からこんな風に聞かれたりすると、「ウチもやらなきゃ」と焦ってしまうことがあります。
おむつからパンツへのトレーニングはいつからはじめるのが良いのでしょうか。
この記事では、おむつからパンツへのトイレトレーニングをはじめる時期と、楽しく進める3つの方法をお伝えします。
目次
おむつからパンツのトレーニングはいつから始める?
一般的には1歳~2歳でトレーニングを始める人が多いようですが、あまり月齢にはこだわらず子どもの成長を見ながら始めるのがおすすめです。3歳からはじめ、あっという間におむつがはずれるお子さんもいます。
焦って早くから開始したからと言って、早くトレーニングを終えられるわけではありません。かえって混乱する子どもにトレーニングを押し付ける形となり、トイレが嫌いになってしまう場合があります。周りのママたちが始めているのを聞いたり、祖父母が「まだなの?」と口を出してきたりする場合、どうしても焦りが出てしまいますよね。また、保育園によっては、早い時期から集団生活の中でトイレの練習をはじめるところもあります。
しかし、家庭でのトレーニングは、その子の成長を一番近くで見守っているママやパパがはじめる時期をしっかりと見極めてください。
目安としては以下を参考してみてくださいね。
- 歩行がしっかりしており、段差を登り降りできる
- 「おしっこ」「ウンチ」の言葉の意味が分かるようになっている
- おしっこの間隔が2~3時間ほどあいている
- おしっこの後に、毎回ではなくても知らせることができる
では、おむつからパンツへのトレーニングを始める時期がきた場合には、どのように始めたらよいでしょうか。
おむつからパンツへ!トレーニングの始め方
トレーニングを始める時期がきたな、と感じたら、まずは何から始めたら良いでしょうか。
用意しておくと便利なもの、最初に始めることをお伝えします。
用意しておくもの
子どもがトレーニングをスムーズにおこなうために、用意しておくと便利なものをご紹介します。
トレーニングパンツ
普通のパンツでも良いのですが、可能であればトレーニングパンツを数枚用意しましょう。オムツからいきなり普通のパンツに移行させようとすると、フィット感や厚みに違和感を覚える子どもが多いようです。
トレーニングパンツであれば、層になっていて厚みがあるため違和感が少なく、また失敗しても吸水してくれるので大変便利です。種類は6層~3層まであり、段階的にトレーニングするのが理想ではありますが、実際には各層をそろえる必要はありません。パンツに慣れ、おむつがはずれていくことが目標ですので、4~5枚あれば十分でしょう。
補助便座・おまる
最初は大人用の便座に安定して座ることが難しいため、補助便座やおまるを使うことをおすすめします。今は、トイレでする感覚がつかみやすく、後処理も楽、かつリーズナブルな補助便座を使用してトレーニングをおこなう人が多いようです。
おまるのほうがトイレへのハードルが低いため、感覚をつかみやすいメリットがありますが、おまるからトイレへの移行にもトレーニングが必要になります。言葉の意味を理解し、排せつを報告できるようになっているのであれば、補助便座からのトレーニングでも無理なく進められるでしょう。
補助便座はイラストのような、またぐタイプで前にハンドルがついているものか、小さい便座の形で座らせるタイプのものが主流です。またぐタイプは、安定感があり排便時に力みやすいですが、最初の頃は自分でまたげないためママやパパが抱っこをして座らせる必要があります。座らせる便座タイプはほとんど便座と同じなので、自分で補助便座に座ることが容易です。また、補助便座の卒業がスムーズにできるという特長もあります。
ただし、補助便座を嫌がる子供もいますので、補助便座なしでも座れるのであれば無理に使う必要はありません。
踏み台・ステップ
便座に自分で登れるように、踏み台やステップを用意しましょう。階段になっているステップは使用しない時に折りたためて便利ですが、使いやすいのは踏み台です。高さや幅があり、安定感のあるものを選びましょう。最初のうちは、踏み台から補助便座に自分で座るのが難しいため、ママやパパが補助をする必要がありますが、慣れてくれば自分で踏み台から便座に座ることができるようになります。また、ステップ付きの補助便座であれば、ステップと便座が固定されていて安定感があります。
防水シーツ
トレーニングが進んでくると、日中の間はパンツで過ごし夜間はおむつに履き替えるようになってくるでしょう。夜間におむつで過ごすのも良いですが、おすすめは防水シーツを使ってパンツで寝るのを促すことです。朝からおねしょの対応に追われるのは大変ですよね。防水シーツがあればママやパパも安心して応援できますので、あると心強いアイテムです。
おむつからパンツへのトレーニング。最初になにをする?
必要なアイテムを準備したら、何から始めたら良いでしょうか。さっそく見ていきましょう。
トイレに興味をもたせる
まずは、トイレが排せつする場所であることを覚えさせます。ママやパパと一緒にトイレに行って、用を足している姿を見せることもイメージにつながります。特に男の子の場合は、補助便座から卒業して自分で立って用をたせるように、パパと一緒に行ってイメージを持たせることがおすすめです。
ママやパパがトイレに行くときには「一緒に行こう」と声をかけてトイレで排せつするタイミングを教えることも大切です。朝起きたときや、食事の後、寝る前など、最初は一緒にトイレに行くだけで大丈夫です。
また、補助便座を見せて、子どもの好奇心を刺激するのも効果的です。
便座に座らせる
トイレに興味を持たせることに成功したなら、自分から「座りたい!」と言い出すかもしれません。または、ママやパパから「ちょっと座ってみる?」と声掛けするのも良いでしょう。大好きなオモチャやぬいぐるみを補助便座に座らせるマネをして、遊び感覚で座らせてみてください。オムツを脱いだ状態で座ることができたら、まずは一歩前進です。
何度か座ることができたなら、「ここでオシッコしてみる?」と聞いて、本人のやる気を促してみてください。
タイミングをみてトイレに誘う
便座に座ることに抵抗がなくなってきたら、タイミングを見てトイレに誘いましょう。朝起きたとき、食事の後、外出から帰ってきたときなど、成功しやすそうなタイミングで誘うことが大切です。うまくできたときには本人の自信につながるように、たくさん褒めましょう。たとえうまくできなくても、便座に座れたことを褒めましょう。
成功が続いてくると、ママやパパのほうは子どものトイレの間隔がつかめていることでしょう。2時間~3時間ほどの間隔になっていると思います。その頃には、子供自身も「したい」「したくない」の感覚をつかみかけています。ママやパパがトイレに誘っても「したくない」と言う回数が増えることがあります。その場合には、無理にトイレに連れて行くのではなく、「失敗してもいいや」という気持ちで、「じゃあ、したくなったら教えてね」と伝えてみます。最初は失敗することもあるかもしれませんが、そこで責めない様に気を付けてくださいね。
おむつからパンツへ!トレーニングを楽しく進める3つの方法
トレーニングを進めていく途中は、成功と失敗を繰り返します。計画どおりにテンポよく進むとは限りません。親自身がイライラして失敗を責め、子どものやる気を削いでしまうことがないように、ママやパパ自身もゆったりとした気持ちで子どもと一緒にトレーニングを楽しみましょう。
トレーニングを楽しく進める3つの方法をご紹介します!
好きなパンツ作戦
大人でも、やりたいことはまず形から入るとテンションが上がることがありますよね。子どもも新しいことにチャレンジするわけですから、新しいアイテムでモチベーションを上げさせるのは効果的です。一緒にお店に行って、「○○ちゃんの、新しいパンツだよ!好きなのを選んでいいよ!」とトレーニングを意識させる声掛けとともに好きな絵柄のものを選ばせてみてください。自分で選んだお気に入りのパンツを履くという気持ちが芽生え、やる気を促せることがあります。
花まる・シール作戦
成功した時には小さなごほうびがあるとがんばれるものですよね。トイレにカレンダーを置き、成功した日にはママやパパが花まるの絵を描いてあげたり、好きなキャラクターのシールを子ども自身に貼らせるのは効果的です。成功した日が何日か続いたら大きな花まる、大きなシールにして、連続でできたことを褒めるのも良いでしょう。
そのうち、毎日おしっこが成功しますので、ごほうびの力が弱まってきます。そうなってきたら、今度は排便や、夜パンツで眠れたら花まるやシール、と進めていくのがおすすめです。
抱きしめる作戦
成功した時の花まるやシールのごほうびも嬉しいですが、何より嬉しいのはママとパパの愛情表現です。成功したときには、ギューッと抱きしめて「良くできたね!すごいね!」と褒めてあげるのが一番です。また、ママしか成功したところを見ていなかったのなら、「上手にできたことをパパにも言おうね」と伝えるのも効果的です。
一回一回の成功を自信につなげ、次もトイレでがんばるためのやる気を引き出すことに努めましょう。
おむつからパンツのトレーニングで自立を促すには
さて、トイレの成功が増え、残すところオムツでいるのは外出先や夜間のみ…となってきました。しかし、ここで焦りは禁物です。成功が増えたとしても、時には失敗することややる気が起きないことがあります。失敗しても「大丈夫だよ!次は教えてね」と明るく伝え、子どもが自信を無くさないように振る舞いましょう。
さて、「トイレに行ってくる」と自分で行けるようになったり、夜もパンツが良いと希望するなど、子供自身の自立を促すにはどんなことができるでしょうか。
ママパパ意外の人に褒めてもらう
トレーニングは長期戦になることが多いため、やる気が続かず途中で中だるみをしてしまうことがあります。そんな時には、トレーニングをがんばっていることや、最近の成功した出来事をママとパパ以外の身近な人に褒めてもらうのは効果的です。例えば、一緒に住んでいない祖父母やお友達のママなど、子どもがよく知る大人に褒めてもらうことで自信をつけられます。
進級などと合わせて自立を促す
お誕生日や進級のタイミングが重なった場合は、本人も「お兄さん・お姉さんになる」ことを意識していることが多いものです。やる気に拍車をかけられるようであれば、トイレが成功したときに「お兄さんだね!かっこいい!」と自ら成長の階段を登るように促すことができます。
ただし、子どもによってはプレッシャーになってしまうこともありますので、その子の性格や様子を見て声掛けをしてみてくださいね。
体調が悪い時は無理をさせない
大人でも疲れているときにはやる気が出ませんよね。子どもが疲れているときや、食欲などがなく体調が悪いときには、無理をしてトレーニングを進めないように気を付けましょう。
毎日トレーニングをがんばっていることをねぎらって、「今日はパンツにする?おむつにする?」と本人に選択させてみてください。
まとめ
「急にやる気が出て、いつの間にかおむつがとれたよ」なんて話を、子育て経験されたママさんから聞くと、そんな日が本当にくるのかな…なんて思いますよね。
でも、これって本当の話だったりします。結局、トレーニングのカギは子ども自身の成長とやる気です。焦る気持ちは抑えて、子どもの成長に寄り添って進めましょう。親自身も楽しくおこなうことを意識してみてくださいね。