歩き始めた頃は姿勢がよかったのに、ふと気付くと子どもが猫背になっていることはありませんか?
子どもに背筋を伸ばしなさいと言ってもなかなかうまくできず、悩んでいるお母さんも多いかもしれません。
ここでは、子供の姿勢をよくするための方法についてご紹介しています。
実はちょっとした工夫で子供の姿勢を良くすることができるのです。
目次
姿勢の悪い子どもが増えている原因とは?
昔に比べて近年は姿勢の悪い子どもが増えてきていると言われています。
なぜなのでしょうか?
筋力がない
姿勢の悪い子どもが増えている最も大きな原因として考えられるのが、筋力の低下です。
近年の子どもは、筋力が落ちてきていることが小学校の運動テストなどでも指摘されていますよね。
その理由としては、外遊びをする機会が減ったことがあげられます。
核家族化や地域の繋がりの低下、その他様々な環境の変化により外遊びをする機会は少なくなっています。
また舗装された道やバリアフリー化などにより、筋力を使う機会はどんどん減っているのです。
筋力がないといい姿勢を続けるために必要な体の軸をしっかりと支えることができず、姿勢が悪くなってしまいます。
運動のために体操教室などに通っている人もいるかもしれませんが、体全体のバランスが取れていないうちに体の一部の筋肉だけを使うような運動をすることで、かえってバランスを悪くしてしまう可能性もあるので注意が必要です。
大人の姿勢が悪い
姿勢に遺伝は関係ないと言われています。
ではなぜ大人の姿勢が悪いと子どもの姿勢も悪くなってしまうのでしょうか?
その理由は、まわりの大人の姿勢が悪いと子どもは「いい姿勢」というものがどんなものか分からないからです。
いい姿勢がわからないまま姿勢をよくしようとすると、胸を張り過ぎてしまったりバランスの悪い姿勢になってしまいます。そして、今度はそれを直そうと背中を丸めた楽な姿勢に戻ってしまうのです。
テレビを見る
テレビは姿勢に最もよくないと言ってもいいかもしれません。
なぜなら、テレビを見ているとどうしても前のめりの体勢になってしまいます。
それ以外にもソファにもたれてテレビを見ていると、お尻が前にずれてきて背中が曲がった状態になりますよね。
その状態を続けることで、首や腰に負担がかかり普段の姿勢にも影響してしまうのです。
テレビだけでなく、パソコンなどの画面を見ることが多くなっている現代の子どもは、姿勢が悪くなる原因に囲まれていると言っても過言ではありません。
テレビゲームなども、集中して画面を見るので姿勢が悪くなる大きな原因です。
椅子の高さが合っていない
子どもはすぐに成長するので、椅子の高さを合わせたと思ってもすぐに合わなくなってしまいます。
また子どもにちょうどいい高さというのがどれくらいか分かりにくいので、そもそも高さが合っていないということも考えられます。
食事をする時に姿勢が悪いなら、椅子が合っていない可能性がとても高いでしょう。
また足がぶらぶらと不安定なのも姿勢が悪くなる原因になります。
姿勢を良くするために簡単にできることは?
では姿勢を良くするには、どのような点に注意すればいいのでしょうか?
先ほどの姿勢の悪い子どもが増えている原因と照らし合わせて考えてみましょう。
筋力を付ける
筋力がない子どもには、まず筋力を付けることですよね。
ではどのように筋力を付ければいいのでしょうか?
体を動かす遊びを増やす
外遊びをするのは、環境によって難しいこともあるかもしれません。
ですが、できることなら子どもが自由に走り回れる機会を週に2,3回は作りたいですね。
体全体を動かすことで、体を支える軸がしっかりし体全体を鍛えることができます。
外遊びが難しいなら、家の中でも体を動かす工夫をしてみましょう。
逆立ちやでんぐり返りなどマットの上でできる運動がオススメです。
その他にも、普段から階段を使うように心がけることも、姿勢を良くする上ではとても有効です。
大人も姿勢を良くする
大人が背筋を伸ばしていると、子どもも自然と真似をするものです。
まずは大人が姿勢を良くするように心がけましょう。
特に食事中に大人の姿勢が悪いと、子どもはそれをよく見て真似をしてしまうので注意しましょう。
もしかすると、大人自身も自分の姿勢が悪いことに悩んでいるかもしれません。
そんな時は、よい姿勢を知ることからはじめましょう。
自分のよい姿勢というのは、とても簡単な方法で知ることができます。
足を肩幅に開いた状態で、膝をついて立ってみてください。
普段姿勢の悪い人でも、膝をついて立つことで自然と背筋が伸びたのが分かりますか?
姿勢が悪い原因として骨盤が前後に傾いているなど、体の歪みが考えられます。
膝で立つことで、体の軸が真ん中になり自然と背筋が伸びるのです。
骨盤の位置もそれが正しいので、一日一度自分の正しい姿勢を確認することでよい姿勢を目指すことができます。
テレビを見る体勢に注意する
テレビを見るなと言っても、なかなか難しいかもしれません。
そんな時は、テレビを見る体勢に注意するようにしましょう。
まずテレビの位置はできれば、目線と同じもしくは少し低い位置に置くようにしましょう。
テレビが見上げる位置にあると、はじめはいい姿勢で見ていても首に負担がかかり徐々に姿勢が悪くなってしまいます。
ソファに座る時は、浅く腰掛け背もたれにはもたれないようにしましょう。
どうしてももたれてしまうなら、ベンチタイプの固く背もたれのない椅子にするのもいいですね。
椅子の高さを調整する
姿勢よく食事ができる椅子の高さとは、体に対してどれくらいの高さを言うのでしょうか?
食事に関しては背筋を伸ばして座り手をテーブルに置いた時に、腕が90度に曲がるのがちょうどいいと言われています。
子どもが食事をしている時、姿勢が悪いと思ったらテーブルの高さをチェックしてみてはいかがでしょうか?
座布団を上手に活用してみよう!
子どもはすぐに成長するので、毎回身長にあった椅子を準備するわけにもいきませんよね。
そんな時は座布団を活用しましょう。
座布団は高さを調節するのにとても便利なアイテムです。
ですが、使い方を間違えると逆効果になりかねません。
具体的にどのように使えばいいのか、ご紹介しましょう。
座布団で椅子の高さを調整する
固い座布団を選ぶ
高さ調整に使う座布団は、固いものを選びましょう。
柔らかいものだと座った時に安定しないので、余計に姿勢が悪くなってしまうかもしれません。
薄い座布団を重ねる
分厚い座布団だとすぐに使えなくなってしまう可能性もあります。
そのため、座布団を選ぶ時は薄いものを選びましょう。
薄い座布団を重ねることで、より細かい高さ調整が可能になります。
椅子の全面を覆うサイズを選ぶ
子ども用の座布団となると、小さいものが多いですよね。
椅子の一部だけを覆う座布団だと、足が中に浮いた状態になり不安定になってしまいます。
そのため、椅子の全面を覆う大きさのものを選びましょう。
ただし大きすぎも禁物です。
不安定になる上、座る際に滑って危険です。
高さ調節専用の座布団を活用する
子ども用品売り場に行けば、椅子に取り付ける高さ調整用の座布団やクッションが売られています。
高さ調整用のものというだけあり、固い素材で高さを調整しやすいように厚みも計算されているので活用してみてはいかがでしょうか?
ただし、注意したいのはサイズです。
子ども用のサイズなので、大人の椅子に置くと小さいため足が浮いた状態になり、椅子の上に足を曲げてしまったり安定しません。
そんな時は、他の座布団やタオルなどを組み合わせたりして、膝を90度に曲げて下におろせるところまで前に出します。
そうすることで、いい姿勢を保ちやすくなります。
足の下にもクッションを
せっかくテーブルの高さをぴったりにしても、足がぶらぶらしている状態では不安定でいい姿勢は保てません。
テーブルの高さを合わせた後は、足が付くように足の下にも段ボールや座布団などで足置きをつくりましょう。
背筋を伸ばして座りたい時
- テレビを見る時、気を付けていてもどうしても猫背になってしまう
- 椅子の高さをぴったりにしたはずなのに、それでも姿勢が悪い
そんな時にも座布団は活用することができます。
やり方は簡単、薄めの座布団を2つに折ってお尻の後ろ半分で踏むように座ります。
それだけで骨盤が立ち自然に背筋が伸びるのです。
座布団を折ると高くなりすぎてしまうなら、座布団に座った状態で背中側を折り返してもいいですね。
子どもに座布団が大きすぎる場合は、ハンドタオルなどを折って挟んでみてください。
ちょうどいい場所と高さが見つかれば、クッションカバーに入れて固定するなど工夫してみましょう。
バレエ教室で姿勢が良くなる理由
子どもの習い事として昔も今も人気の高いバレエですが、バレエをしている子は姿勢がいいというイメージがありますよね。
実際に子どもがバレエ教室に通っていたママの口コミを見ても、バレエを始めてから姿勢がよくなったという声も多いようです。
では、なぜバレエで姿勢がよくなるのでしょうか?
家でも簡単に取り入れられるエクササイズと共にご紹介しましょう。
バレエの体へのメリット
筋力が付く
いい姿勢を保つのには体の軸を支える筋力が必要です。
バレエはつま先立ちで回転をしたりジャンプをしたりする中で、バランスをとるために体の軸を支える筋力が自然とついていきます。
筋力が付くというとがっちりしてしまうイメージがありますが、バレエはしなやかに揺れる体を支えながら踊るため、体の表面ではなく中心部分に筋肉を付けることができます。
そのため、見た目は美しくありつつも筋力を付けることができるのです。
体が柔らかくなる
バレエを習う上で必要となるのがストレッチです。
これにより体が柔らかくなり、しなやかな動きを身につけることができます。
バランス感覚がよくなる
つま先で体全体を支えるなんて、バランス感覚がないとできませんよね。
バレエはバランス感覚も身に付きます。
バレエで姿勢がよくなる理由
バレエをすると、体を支える筋力が付くとお伝えしました。
その中でも特に注目したいのが、腹筋です。
椅子に座って背中が曲がってしまう子どもは、腹筋が弱く体を支えられていないからだと言われています。
その筋力をバレエで養うことで、姿勢がよくなるのです。
もっとあった!バレエのメリット
体のバランスを保つには、小脳が働いていると言われています。
小脳は7歳ごろまでに完成すると言われており、それまでにバランス感覚を身につけておくことは、今後の成長においてとても大切です。
それだけでなく、姿勢がよくなることで内臓が正しい位置に収まるため、消化吸収が上手くできる健康な体を作ることができます。
そのため、バレエは小さいうちからはじめるのが特に効果的と言うことができますね。
簡単にできるエクササイズ
姿勢をよくするために、バレエの要素を取り入れた自宅でもできる簡単なエクササイズをご紹介しましょう。
お尻歩きとストレッチ
床に足を伸ばして座り、お尻で右左交互に前に10歩、後ろに10歩歩きます。
そして、そのまま胸を太腿につけるように前に倒れ10秒キープしましょう。
お尻で歩く時は、背中から頭に一本筋が通っているのをイメージすれば効果的です。
背中丸めストレッチ
思い切り背中を丸めた後、思い切り背中を反らせます。
体を起こした状態では頭の重みが腰にかかり、背中を反らせた時に腰を傷めてしまう可能性があります。
そのため、四つん這いの状態でするのがオススメです。
つま先立ちで歩く
かかとを高く上げてつま先立ちをします。
その状態で直線状に前に向かって歩きます。
一息ついたら、同じくつま先立ちで後ろ向きに戻ってきましょう。
直線を目印に、その上を歩くようにすればより効果的です。
足裏マッサージと足指体操
体全体のバランスを整えるためには、足の裏できちんと体を支える必要があります。
そのため、テニスボールを足の下で転がすなど足の裏をほぐしましょう。
同時に、足の指でグーチョキパーを作る動きや、タオルをつかむ動きなど指を動かす体操も加えると効果的です。
まとめ
いかがでしたか?
バランスは小脳に関係しているため、子どもの時の姿勢は大人になってからも影響します。
「背筋を伸ばしなさい」と叱るより、姿勢のよくなる環境を作ってあげましょう。
座布団や簡単なエクササイズなど、ちょっと工夫するだけで姿勢は大きく変わります。
どれも簡単な方法なので、一度試してみてはいかがでしょうか?