便秘を解消するにはヨーグルトが良いと信じて食べ続けているけど、なかなか便秘が良くならないという人はいませんか?
実は日本人の腸にはヨーグルトが合っていない場合があるというのです。
そこでおすすめなのが発酵食品。
発酵食品が良いと言われる理由とおすすめの発酵食品を紹介します。
目次
便秘解消にヨーグルトが効くというのは嘘?本当?!
ヨーグルトは美味しくて腸にも良いので毎日食べているという方は多いでしょう。でも、食べていても便通に変化が無いということは、ヨーグルトが便秘解消に逆効果になっているかもしれないのです。ヨーグルトは果たして便秘解消に効果があるのでしょうか。
便秘解消にはヨーグルトは逆効果?
便秘解消のために良いといわれる食品は色々とありますが、特に信じられているのはヨーグルトでしょう。便秘にならないように毎日ヨーグルトは欠かさない、便秘になったらとりあえずヨーグルトを食べて対処するという人も多いと思います。
でも、ヨーグルトはあまり日本人には合っていない食品というのを知っていますか?皆さんの中にもヨーグルトを食べても、これといった効果を実感していないという人はいませんか?良かれと思って食べているヨーグルトですが、もしかしたら便秘に対しては逆効果という説があるのです。
ヨーグルトを便秘解消におすすめしない理由
ヨーグルトは便秘に良い食品といわれていますが、実は腸にとってはマイナスな面があります。
ヨーグルトを便秘対策に食べることをお勧めできない理由として次の3つが挙げられます。
- 動物性乳酸菌は胃酸に弱い
- 腸を冷やす
- 動物性脂肪が腸に負担となる
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は動物性乳酸菌に分類され、胃酸によって分解されやすいため、生きたまま腸に届く数が減ってしまいます。また、ヨーグルトは冷たいまま食べることが多いので、腸を冷やしてしまい、腸の動きを悪くする場合があります。それに、動物性脂肪が多いヨーグルトは日本人の胃腸には脂肪分が多すぎて消化に負担がかかりやすいことも問題です。
日本人には、まだヨーグルトは歴史の浅い食品なので、欧米人のようにヨーグルトばかり食べ続けるのは体質に合わず、血中コレステロールを上昇させるなどの悪影響も考えられます。ヨーグルトは必ずしも日本人にとって万能な食べ物というわけではないのです。
便秘解消のためのヨーグルトの食べ方のポイント
ヨーグルトにはもちろん良い面もあります。ヨーグルトを食べ続けた結果、便通が改善したという人がいるのも事実です。美味しくておやつ代わりにもなるヨーグルトは食べ方を気をつけるだけで、より効果的に取り入れることができます。そこで、ヨーグルトは、次の3つのポイントに注意して食べるようにすると良いでしょう。せっかく食べるなら逆効果にならないように、より腸に優しい方法で取り入れていきましょう。
ホットヨーグルトがおすすめ
腸を冷やさないようにしてヨーグルトを食べたいという場合には、ホットヨーグルトがおすすめです。
ヨーグルトを温めることによって、腸を冷やしにくくなります。電子レンジで1分ほど温めるだけなので、簡単に作ることができます。温めることで、腸の働きを低下させることなくヨーグルトを摂取できる方法です。
食べるタイミングとしては夜がおすすめ
ヨーグルトを食べるならば、夜がおすすめです。特に22時からは腸のゴールデンタイムとも呼ばれ腸の動きが活発になる時間です。夜にヨーグルトを食べて、腸の活動を高めることで、自然なお通じがリズムよく来るようになってきます。夕食を少し軽めに食べて、食後にヨーグルトを食べるようにすれば太る心配もいりません。
低脂肪または無脂肪ヨーグルトを選ぶ
ヨーグルトは意外に高脂肪なので食べすぎるとコレステロールが高くなったり、太る原因にもなります。
そこでおすすめなのが低脂肪または無脂肪タイプのヨーグルトです。海外では低脂肪ヨーグルトが人気があり一般的に良く食べられています。ただし食べ過ぎは良くありません。1日あたり100g程度に留めましょう。
ヨーグルトよりおすすめは日本に伝わる発酵食品!
発酵食品というとどんなイメージがありますか?臭い保存食というイメージがあるかもしれません。実は、発酵食品は日本人の知恵が詰まった優秀な食品で、腸にも良いということから見直され始めているのです。
発酵食品とは?なぜ腸にいいの?
ヨーグルトよりも日本人の腸に適しているといわれるのが日本に伝わる発酵食品です。これらの発酵食品は多くのものが植物性乳酸菌を含む食品ということに腸に良い秘密があります。醤油、味噌など日本の発酵食品には馴染み深い食べ物がたくさんありますが、実はとても腸に良い食品であり、日本人の腸にもぴったり合っているのです。日本の伝統的な発酵食品には腸に対してどんなメリットがあるのかお話します。
植物性乳酸菌が腸に生きて届く
ヨーグルトも発酵食品には変わりありませんが、牛乳を発酵させた動物性の食品です。
ヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌は腸に届く前に胃酸で死んでしまい、腸まで生きて届きにくいのが難点です。
死んだ菌は腸内細菌のエサとなるので、全く意味が無いわけではありませんが、生きたままの菌も摂取した方がより整腸作用を期待することができます。発酵食品に含まれている植物性乳酸菌は、酸に強いので、胃酸によって活性を失わずに腸まで生きたまま届くことができるがメリットです。また、植物性乳酸菌はさまざまな菌とも共存でき、腸内で生き抜く力が強いのも特徴です。
さらに、ヨーグルト1gには1億個程度の乳酸菌が含まれますが、ぬか漬けのような発酵食品には、なんと10億個もの乳酸菌が桁違いに多く含まれています。植物性乳酸菌をたっぷり摂取できて、胃腸に生きたままの菌が届くことで効果を発揮してくれるのが発酵食品の素晴らしいところです。
また、日本の発酵食品に使われているのは、乳酸菌ばかりではありません。麹菌、納豆菌、酵母などいろいろな菌のはたらきにより、さまざまなバリエーションに富んだ発酵食品が作られています。
日本人の腸に合っている
日本人の体型からみても植物性乳酸菌の方が合っていることがわかります。日本人は欧米人と比べると胴長短足であり、腸が長いといわれています。腸が長いということは、それだけ腸に届くまでに時間がかかるということ。胃酸によって活性を失いやすい動物性乳酸菌よりも、胃酸に強い植物性乳酸菌の方が日本人の長い腸には合っているのです。
日本人との長い歴史がある
また、歴史的に見ても、ヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌より、ぬか漬けや味噌などの発酵食品に含まれている植物性乳酸菌との付き合いの方が長いこともおすすめする理由です。ヨーグルトは戦後日本に普及した食べ物でまだ日本においては数十年の歴史しかありませんが、日本古来の発酵食品は弥生時代から始まっていたとも言われています。
長い年月をかけて培われてきた発酵という食文化は日本食の発展においても重要な役割を占めており、日本人の健康維持にとってなくてはならない存在ともいえます。比較的日本人にとっては新しい食品であるヨーグルトよりも、伝統的な発酵食品の方が我々の腸に慣れ親しんだ菌がいっぱい含まれているのです。
親から子へ引き継がれてきた乳酸菌を育てる方が効果的
乳酸菌は自分の腸にあった種類を取り入れなければ、腸に定着せずにすぐに外へ出ていってしまいます。
私たちはもともとお母さんのお腹の中にいる時には無菌状態で、産道を通り初めて菌に出会います。その後、色々な菌を口にすることで、腸内でそれぞれの腸内細菌のバランスを作っていくのです。
腸内細菌は常に入れ替わり、食べ物などの影響を受けて変化しますが、いくら良い菌であっても自分の腸に合わなければ勢力争いに負けて外へ出て行ってしまいます。そこで腸内環境を整えるには、今まで育んできた腸内細菌をいかに健康な状態に維持いくかが大切になります。
つまり親の世代から慣れ親しんでいる、日本の伝統食品を取り入れた方が理にかなっているといえるのです。
おすすめの5つの発酵食品と選び方のコツ
発酵食品には色々な種類があり、また食品ごとに品質や作り方なども違いがあります。正しい目線で選ばないと、発酵食品を選んだつもりが、「発酵食品もどき」を選んでしまうかもしれません。発酵食品を摂取するからには、正しい製法で作られた本物を選ぶことが大切。生きた植物性乳酸菌が含まれる本物の発酵食品の選び方のコツもお話します。
便秘解消に役立つ発酵食品の選び方
味噌
味噌は大豆と塩、麹で作ることができます。食品のラベルを見た時に、それ以外に余計な添加物が入っているものや、食品売り場の常温の棚に売っているものは菌が死んでしまっている可能性が高いのです。
おすすめは冷蔵コーナーに売られている味噌です。また、裏面のラベルを見て、余計な添加物が含まれていないか、チェックするようにしましょう。さらに注意したいこととして、味噌汁にする場合には、火にかけて沸騰させないことが大切です。熱をかけすぎると、せっかくの菌が死んでしまうので火加減には要注意です。
ぬか漬け
お漬物にはいろいろな種類がありますが、浅漬けよりもぬか漬けの方がおすすめです。ぬか床には植物性乳酸菌が含まれています。スーパーやデパートでもぬか漬けは売られていますが、できるならば自家製のぬか漬けを漬けて食べた方が効果的です。塩分を気にして食べない人もいますが、数切れ程度を整腸目的に食べるくらいならば影響はほとんど気にする必要はないでしょう。ただし、現在治療中で医師から塩分制限を指導されている場合には、あらかじめ相談することをおすすめします。
納豆
納豆には納豆菌という植物性乳酸菌が豊富に含まれています。昔ながらの納豆は茹でた大豆をわらに包んで発酵させます。わらに納豆菌が住み着いているのです。大量生産されている納豆には、わらを使った商品は減ってしまいましたが、普通のパックに入っている納豆でも十分に効果を期待することはできます。納豆菌は特に胃酸に強く、生きたまま腸にまで届くといわれているので、ぜひ毎日食べて欲しい食品です。
塩麹
かつて一大ブームを巻き起こした調味料である塩麹も立派な発酵食品の一つです。
塩麹の主原料である麹には生きた麹菌がたっぷりと含まれています。塩を使うよりも、塩麹を使った方が
味にコクが出て満足度が高まるので結果として減塩にもつながると考えられます。
市販の塩麹には「酒精」を使った本来の発酵を経ていない商品もあるので、できれば自分で麹と塩と水だけで発酵させた自家製塩麹を作ることをおすすめします。同じく麹をそのまま使用した食品に甘酒がありますが、糖分摂取が過剰になることを考えると日常的に飲むのはおすすめできません。
醤油
醤油は日本食には欠かせない食品であり、大事な発酵食品の一つです。毎日摂るものだからこそ、醤油の品質にはこだわりましょう。安い量産されている醤油は、実は本来の醤油とは異なります。
醤油は大豆、小麦、塩と麹から作られます。しかし市販品の中には、本来の作り方とは異なり、醸造アルコール、アミノ酸などの調味料を使って作られた醤油が売られています。これらには生きた麹が少なく、発酵食品としての役割が十分ではありません。
おすすめは丸大豆、小麦、塩と原材料に書かれていて、本醸造で作られた醤油です。少し値段が張りますが、生きた菌が含まれているので、整腸作用が期待できます。毎日使うものだからこそ、調味料にはこだわっていきましょう。
さいごに
腸に良いといわれる食品はヨーグルトだけではありません。ヨーグルトだけに偏らず、植物性乳酸菌を摂取できる発酵食品も取り入れるのがおすすめです。特に日本人の腸には伝統的な発酵食品である調味料を取り入れた食生活が合っていると言えます。
昔ながらの製法で作れた本物の発酵食品を取り入れて、腸に良い生活を始めませんか?