最近は自宅で教室やサロンを始める女性企業家が増えています。趣味を仕事にする人も増えていますね。そんな方たちに人気が高いのがアロマテラピー。リラックス効果だけではなく、美容と健康にも役立てることができるんですよ。今回は、アロマテラピーの資格について紹介いたします。
目次
アロマテラピーとは
まずはアロマテラピーについて簡単に説明をしておきましょう。アロマテラピーとは直訳すると「芳香療法」になり、100%天然の植物の香り成分を使って、美と心身の健康に役立てる民間療法です。アロマといえばラベンダーを思い浮かべる方も多いですよね。ラベンダーには、香りを嗅ぐことで精神の安定やリラックス効果はもちろん、火傷の炎症を抑えたり、美肌効果や鎮痛作用もあるんですよ。
天然の香りが持つ効果や効能は、植物ごとによって異なります。また、天然の成分でありながらギュッと凝縮されているエッセンシャルオイルを取り扱うので、正しく扱うための知識が必要です。これらの知識を学び、アロマテラピーを活用するための資格制度があるのです。
仕事にできるアロマテラピーの資格の種類は?
世界をはじめ、日本にもいくつかアロマテラピー協会が存在します。アロマテラピーに関する資格は民間資格であるため、協会ごとに異なります。今回は、日本で最も大きいと言っても過言ではない「公益社団法人 日本アロマ環境協会(以下AEAJ)」の資格について紹介します。
アロマテラピーを仕事にするなら資格は必要?
先ほどお伝えした通り、アロマテラピーの資格は民間資格です。その為、自分が「アロマセラピスト」だと名乗ればアロマセラピストとして活動することが可能です。ただ、お客様がサービスを選ぶ際の指針になるのは事実です。例えば資格以外は全く同条件の2人のアロマセラピストがいて、一人が協会の認定資格保持者、もう一方は資格がない方だとしたら、お客様は資格取得者を選ぶのではないでしょうか。
アロマテラピーの資格の種類と仕事の関係
AEAJの中でもいくつかの資格があります。あなたがやりたい仕事によって、目差す資格は異なります。また、将来目差す仕事内容によっては、全ての資格を取得したほうが良い場合もあります。それぞれの資格と仕事の関連を紹介します。
アロマテラピー検定(1級・2級)
アロマテラピーを正しく活用する知識を得ることができ、自身やご家族に対して、さまざまな場面で香りを活用することができるようになります。また、検定1級の合格が、この後紹介する上位資格の受験資格にもなっています。
アロマテラピーアドバイザー
アロマテラピーの活用方法を、社会に正しく伝えることができる能力を認定する資格です。自身や家族以外に対しても、アロマテラピーの安全な活用方法をアドバイスできる人材です。
活用できる仕事は、アロマテラピー関連商品を扱う販売スタッフなど。
アロマテラピーインストラクター
アロマ教室でプルプルのサマージェルを作りました!テーマの香りはレモングラス、爽やかで抗炎症作用もあり蚊除けにもなります😘
今日はいつも元気いっぱいの、てつお先生が体調⤵︎😱暑さが厳しいからかな?早く良くなってくださいね(^_^;) pic.twitter.com/AJMBeZQsda— テンコ (@PapiHappy0627) August 12, 2016
アロマテラピーアドバイザーの上位資格になります。アロマテラピーのスペシャリストとして、教育に携わる能力を認定する資格です。
仕事としては、アロマテラピー教室、アロマスクールやカルチャースクールでの講師活動など。
アロマセラピスト
こちらもアロマテラピーアドバイザーの上位資格となります。アロマセラピストのプロとして、一般の方にアロマテラピートリートメント(マッサージのようなもの)やコンサルテーション(悩みなどを聴き、適したエッセンシャルオイルをアドバイスするなど)を行える能力を認定する資格です。
仕事としては、アロマサロンでの施術、アロマサロンの経営などです。
その他の資格は?
2016年から新しく2つの資格が増えました。ひとつはアロマブレンドデザイナーで、香りのブレンドによりシーンに沿った香りを提案する能力を認定する資格。もう一つはアロマハンドセラピストで、第三者に安全にアロマハンドトリートメントをする能力を認定する資格です。
アロマの資格の難易度は?独学でいい?
取りたい資格がわかったら、気になるのはその難易度ですよね?こちらでは、それぞれの資格取得の難易度を見ていきましょう。
アロマテラピー検定(1級・2級)は独学可能!
受験資格は特になく、アロマテラピーを学びたい人ならだれでも受験可能です。試験は全国34都市の会場で行われ、1、2級は同日に開催されます。1日で両方を受験することもできますし、どちらか片方のみの受験でもOK。2級を受けず1級からの受験も可能です。
アロマテラピースクールや個人教室などで、アロマテラピー検定対策の教室も開催されていますが、独学でも十分合格可能です。勉強方法は、AEAJから公式テキストが販売されているのでそちらを中心に勉強し、市販の検定対策問題集で出題形式に慣れておけば大丈夫でしょう。試験はマークシート式です。
アロマテラピーアドバイザー
アロマテラピーアドバイザーに関する試験は特にありません。ただ、取得方法が「アロマテラピー検定1級合格」、「AEAJ会員であること」、「アロマテラピーアドバイザー認定講習会を受講」となっていますので、検定1級に合格したのちAEAJに入会し(この順序は反対でも可)、3時間ほどのアロマテラピーアドバイザー認定講習会を受講すれば取得できます。アドバイザー資格取得のために、改めて試験を受ける必用はありません。
アロマテラピーインストラクター・アロマセラピスト
ここまでは比較的簡単に取得できる資格でしたが、インストラクターとアロマセラピストに関しては取得の難易度がグンとアップします。勉強範囲もアロマや精油にとどまらず、解剖生理学や歴史なども学ばなければいけません。覚えることや範囲が広く、それなりに時間をかけてきちんと勉強しなければ合格は難しいでしょう。ただ、認定スクールのカリキュラムをきちんとこなし、真面目に勉強すれば1度の受験で合格することも十分可能です。
また独学についてですが、以前は独学で取得することも可能でしたが、現在は資格取得方法に「認定スクールで必須履修科目を修了する」という項目が追加され、独学での資格取得はできなくなりました。その他の取得方法は、「アロマテラピーアドバイザーを取得していること」、「試験に合格すること」となっています。
インストラクターとセラピストを取得する道のりを判りやすく説明すると、
- アロマテラピー検定1級に合格していること
- AEAJの会員であること
- アロマテラピーアドバイザー資格を取得していること
- 認定スクールで必須履修科目を修了していること
これらが受験資格となり、さらに「試験に合格すること」「資格登録手続き」で資格が取得できます。
インストラクター試験は学科試験のみですが、アロマセラピスト試験は学科試験、トリートメント実技試験、カルテ演習(実際に30名にトリートメントをし、カルテを提出する)に合格する必要があります。
アロマテラピー資格取得までの費用まとめ
資格取得までにかかる費用も重要です。こちらでそれぞれの資格取得までに必要な費用をまとめておきます。
AEAJ入会にかかる費用
アドバイザー資格からは、AEAJへの入会が必須となっていますので、まずは入会にかかる費用をチェックしておきましょう。
- 入会金:10,000円(初年度のみ)
- 年会費:12,000円、10月以降に入会した場合は初年度の年会費が6,000円
ちなみにAEAJを退会すると、それまでに取得した認定資格も失います。再入会してもう一度資格を取得したいなら、アドバイザー認定講習会を受けるところからやり直しになってしまいますので注意が必要です。
アロマテラピー検定(1級・2級)
アロマテラピー検定合格までにかかる費用は以下の通りです。
- アロマテラピー検定2級:2,160円
- アロマテラピー検定1級:3,456円
- 必用であれば市販の問題集:約1,000円
- 検定受験料:1級・2級それぞれ6,480円
アロマテラピー検定合格のみであれば、協会に入会する必要もないので、1級の場合テキスト代と受験料の合計9,936円だけで取得可能です。
アロマテラピーアドバイザー
アロマテラピー検定1級までの費用と、AEAJ入会にかかる費用を除いた金額は以下の通りです。
- アロマテラピーアドバイザー認定講習会受講料:5,140円
- 資格登録認定料:10,260円
合計15,400円となります。因みにアロマテラピーアドバイザー認定講習会は、AEAJ直接開催と認定スクール開催がありますが料金はどちらも同じです。
アロマテラピーインストラクター
アロマテラピーアドバイザー取得までの費用と、AEAJ入会にかかる費用を除いた金額は以下の通りです。また、インストラクター・アロマセラピストに関しては認定スクールでの必須履修科目終了が条件となっています。認定スクールによって授業料が異なりますので、おおよその目安としてご覧ください。(こちらではニールズヤードを参考にしております)
- 認定スクール受講料:192,240円
- 受験料:5,140円
- 資格登録認定料:10,260円
合計207,640円となります。大抵のスクールではアロマテラピー用品を扱っていたり、サロンを運営していることが多いので、スクール生は割引制度が利用できることが多いようです。
アロマセラピスト
アロマテラピーアドバイザー取得までの費用と、AEAJ入会にかかる費用を除いた金額は以下の通りです。セラピストコースに通う場合、インストラクター資格取得者、もしくは同スクールのインストラクターコースを受講していることが望ましいとするスクールもあります。これは、学科の勉強範囲がインストラクターとセラピストで重なる部分があるためです。(こちらでの受講料はニールズヤードを参考にしております)
- 認定スクール受講料:534,600円
- 受験料:5,140円
- 資格登録認定料:10,260円
合計金額は550,000円となります。インストラクター試験に比べると格段に費用がアップします。これは、学科のみを勉強するインストラクターに比べ、トリートメント(マッサージ)の実技を勉強するためです。当然ながら、勉強時間も多くなっています。
通信での資格取得は可能?
スクールに通いたいけれど、時間が合わない、費用が掛かりすぎるという方もいらっしゃいます。そんな方のために、通信口座を開催しているスクールもあります。ただ、必須履修科目が設けられているので、全てを通信だけで賄うというわけにはいきません。通信で勉強したい方でも、必須履修科目に関してはスクールに出向いて授業を受ける必要があるのです。それ以外の勉強を通信で学ぶことは可能です。その場合、実際にスクールで学ぶより費用を抑えることは可能です。
さいごに
アロマテラピーの資格の種類や取得の難易度、仕事との関連を紹介しました。ご覧いただいた通り、上位資格を取得するためには協会への会費を含めかなりの金額がかかります。ずっとこの仕事に就くという決意があるのなら意義がありますが、ちょっとやってみたいというだけではなかなか思い切れないかもしれません。
また、将来自分でサロンを運営したい、教室を運営したいというのなら必用かもしれませんが、どこかに勤めたいのであればその会社の社内資格があるかもしれません。まずは目指す仕事についてしっかり調べてから資格取得を考えてみてもいいかもしれませんね。さまざまな点を考慮して資格取得を目差してみてくださいね。