春になると良くニュースで聞く様になる、黄砂。
様々な弊害を生む黄砂ですが、これは何もせずに防げるものではありません。
そこで対策が非常に肝心となってくる訳ですが、一体何をしたら良いのか知っていますか?
気になる黄砂について、調べてみました!
目次
黄砂って何?
黄砂は、ただの黄色い迷惑な砂という訳ではありません。
その砂には、有害物質を含む粒子が含まれているのです。
この影響は昔に比べて大変大きなものとなっており、今やニュースでも取り扱われるレベルの環境問題となっています。
大気中に含まれる粒子であるため、日常生活の中で防いでいく事は非常に困難です。
黄砂が何なのか具体的に説明すると、中国の内陸部にあるタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、そして黄土高原などの土や粒子が日本へ飛来してくる現象の事を言います。
これらの地域は乾燥・半乾燥地域となっており、土壌や鉱物粒子は風によって数千メートルもの高度まで巻き上げられます。
それらが偏西風に乗って、日本までやってくるという訳なんですね。
黄砂は大気中に浮遊したり、時には降ってくるなんて事もあります。
その名の通り黄色っぽい砂である黄砂は、酷い日には視界がかすんだりする事もある怖い現象なのです。
黄砂は自然現象?
黄砂は風に乗って砂が飛来する現象の事ですが、少し前までは自然現象だとされていました。
しかし最近になって、人為的な影響により悪化してきている事が分かってきたんです。
木々の伐採による森林減少や土地の劣化や砂漠化によって、黄砂が起こりやすくなっているのです。
また過放牧や農地変換も、この環境問題の一因とされているんですよ。
紀元前からあった黄砂ですが、こうした原因により大きな環境問題へと発展しているのです。
黄砂の飛来時期は?
春に多く耳にする「黄砂」ですが、実は一年中飛来してきている事が分かっています。
しかしその9割にもなる大半は、2月から5月に飛来するとされているんですよ。
この時期は冬に積もった雪が融けて、砂が舞い上がりやすくなる事が飛来量が増える原因とされています。
また比較的雨も少ない時期なので、黄砂が飛来しやすいと言えるんです。
黄砂ってどんな砂?
黄砂には、様々な粒子が含まれています。
造岩鉱物や粘土鉱物が多く含まれ、中にはアンモニウムイオンや硫酸イオン、硝酸イオンも含有されています。
これらは元々砂漠などに存在していた訳ではなく、風に乗って運ばれてくる途中で汚染物質を含んでしまっていると考えられているんです。
また非常に小さなこれらの粒子は、太平洋を横断して北米やグリーンランドにまで飛来している事も確認されています。
ただの砂ならともかくこうした汚染物質が混じっているので、黄砂は厄介なんですね。
黄砂による弊害とは?
黄砂による弊害は、非常に多くあります。
視界が霞んでしまう他、海洋のプランクトンの生態系にも大きな影響を生んでいるとされているんです。
また車や洗濯物が黄色く汚れてしまうのも、悩みの種ですよね。
しかしそんな中でも、人体に与える弊害が非常に深刻なものばかりなんですよ。
- アレルギー症状
- 循環器疾患
- 呼吸器疾患
- 結膜炎
- 目の充血
- 皮膚炎
- 咳
- のどの腫れ
- 鼻水
- 頭痛
- アトピー性皮膚炎
- 免疫力の低下
スギ花粉の約7分の1程という大変小さな粒子である黄砂は、人体に入り込みやすいと言えます。
またガソリン使用による硝酸塩や農薬・農業廃棄物、核実験による放射性物質なども含まれていると言うので怖いですよね。
こうした有害物質は、危険物質とされるアスベストよりも有害とされているんです。
そんな粒子がたくさん大気中に浮遊している訳ですから、普通に生活をしていても体内へ入り込んで影響を受けてしまうのです。
PM2.5との違いは?
黄砂と並んで良く聞くのが、「PM2.5」です。
PM2.5は、人間が生み出した有害物質の微粒子の事を言います。
炭素成分や硝酸塩、硫酸塩などが含まれますが、黄砂よりも粒子が小さい事が特徴です。
これは主に人間による大気汚染が原因ですが、やはり春は粒子が舞い上がりやすいので注意が必要な時期となっています。
発生源や粒子の大きさは違いますが、どちらも有害物質である事に違いはないのです。
黄砂の対策は?車や洗濯物はどうする?
黄砂は大気中に浮遊して飛来してきますので、黄砂が多い日には洗濯物は外に干さない様にするとベストです。
外に干してしまうと、どうしても洗濯物に黄砂が付着してしまいます。
黄砂には有害物質が含まれていますので、直接肌に接触する洋服やタオルは特に外に干さない方が良いでしょう。
そして車に関しては、屋根付きの車庫に入れるかカバーをかけるなどしない限り黄砂の付着を防ぐ事はできません。
車が屋外にある場合には、黄砂飛来後にこまめに洗車をしていくしかないのです。
しかし単に洗車しただけでは、愛車に傷がついてしまう事も多くあるんですよ。
黄砂には粒子こそ小さいものの、硬い鉱物が含まれているんです。
そのため注意して洗車しないと、傷だらけの車体となってしまう訳です。
黄砂飛来後の洗車では、下記の3つのポイントに注意していきましょう。
1.まずは柔らかいモップで払う
洗車する時は、まず黄砂をなるべくしっかりと落としておく事が大切です。
この時普通のタオルなどでこすってしまうと、粒子が車体を傷つけてしまう事になってしまいます。
そこで、柔らかいモップを使って優しく黄砂を払い落としておきましょう。
また黄砂は蓄積すると固まってしまうので、こまめにモップで払っておくと良いですよ。
2.水はたっぷり使う
黄砂を払い落としたら、たっぷりの水をかけて洗い流します。
水で全体を洗い流してから、たっぷりの泡を使って洗っていくと良いですね。
この時もゴシゴシとこすらずに、優しく洗っていきましょう。
3.ワックスを使う
洗車後はワックスを使うと、黄砂が付きにくくなるのでおすすめです。
とは言っても全く黄砂が付かない訳ではないので、こまめにモップがけをしていくと良いですね。
マスクやグッズが有効?
車や洗濯物のみならず、人体にも多大な影響を及ぼす黄砂。
その対策には、マスクやグッズを使用していきましょう!
マスク
黄砂は、非常に小さな粒子を含む砂です。
これを吸い込んでしまうと、体の内側から様々な健康被害を受けてしまう事になるんです。
そのため、なるべく黄砂を吸い込まない様にしなければなりません。
ここで役立つのが、「マスク」です。
それも通常のマスクよりも、微粒子を防いでくれる様なちょっと高めのマスクを選んでいくと良いですね。
こうしたマスクならば目が細かく、より黄砂を防ぐ事ができますよ。
メガネ
黄砂対策グッズとしては、メガネも有効です。
口から吸いこまれる以外にも、目は黄砂の影響を非常に受けやすい箇所です。
そのため花粉対策用などのメガネやおしゃれメガネでも良いので着用していくと良いですね。
もちろん、花粉対策用などメガネの方が効果は大きく見込めます。
しかし、ちょっと見た目的に…という方も多いですよね。
そんな場合は、おしゃれメガネでも効果はあるんです。
何もしないよりも、こうしたグッズで少しでも黄砂を防いでいくと良いんですね。
特に黄砂の影響を受けやすいお年寄りや赤ちゃんには、万全の対策をしていく事が大切なんですよ。
マスクやメガネを着用するなどの対策から洗濯物を外へ干さないといった工夫が、黄砂を防ぐ方法となってくるんです。
黄砂が多い日に注意したい事とは?
マスクやメガネなどのグッズを使用する他にも、黄砂が多い日には注意したい事が4つあるのでご紹介していきます!
1.肌の露出がなるべく少ない服装をする
有害物質から体を守るためには、なるべく体に黄砂を付着させない事が大切です。
そのため黄砂が多い日には、なるべく肌の露出が少ない服装が望ましいと言えます。
肌を黄砂から守る事で、その影響を最小限に抑える事ができるんです。
また外出時にはアルコールティッシュを持ち歩き、こまめに付着した黄砂を落としておくと良いですよ。
2.なるべく外出を控える
黄砂を避けるためには、屋内にいる事が一番です。
出来る事なら外出を控え、家の中で過ごしましょう。
特に赤ちゃんやお年寄りは黄砂の影響を受けやすいので、極力外出を控えた方が賢明です。
どうしても外出する場合、赤ちゃんならばベビーカーに雨用のカバーをかけるのも有効ですよ。
3.帰宅したら黄砂をなるべく落とす
黄砂の多い日に外出したら、帰宅して家へ入る前に黄砂をなるべく落とさなければなりません。
玄関先で服をささっと払うだけでも、黄砂の付着の多くを落とす事ができます。
黄砂は一度付着するとどんどん蓄積してしまうので、こうしてこまめに落としていく事が大切なんです。
4.空気清浄器を使用する
手で払うだけでは、黄砂を全て落とす事はできません。
そこで、室内では空気清浄器を使用していきましょう。
これにより、黄砂に含まれる有害物質の影響を抑える事が可能ですよ!
まとめ
黄砂が多いからと言って外出せずに家にいる、という事はなかなか出来ることではありませんよね。
そこで有害物質から体を守るためには、黄砂対策がとても肝心となってくるんです。
近年では、PM2.5なども大きな問題となってきています。
黄砂も、酷い年では雪の様に降り積もる事もあると言います。
技術や社会の発展も要因となっているPM2.5や黄砂は、個人単位でしっかりと対策をしていかなければなりません。
また、これらの有害物質は人によって影響の出具合も変わってくると言えます。
だからこそ「自分は大丈夫!」などと思わずに、万全の対策をしていく必要があるんですよ。
まずはマスクやメガネといった始めやすい対策からスタートして、黄砂の影響を最小限に抑えていきましょう!