寝起きの口が臭い気がする…たくさん話した後はなんだか臭う…など、一度気になると仕方がなくなってしまう口の臭い。仕事や生活の中で人と話す機会が多い人は特に気になってしまいますよね。そんな口臭ですが、残念ながら子供から大人まで臭う可能性が日常生活の中に潜んでいるんです。今回は口が臭い原因と治し方をご紹介します。日常生活の中に口臭の原因が潜んでいないかチェックしてみてくださいね!
目次
口が臭い原因はどんなものがある?
口が臭い原因は大きく2つに分けられ、日常の行為に原因があって臭くなるものは「生理的口臭」、虫歯や何かしらの病気に原因があるものを「病的口臭」と言います。ここでは口が臭くなる具体的な原因を以下のように分けてご紹介します。
- 生理的口臭:口の中の乾燥
- 病的口臭:口の中の汚れ、全身疾患
口の中の乾燥によるもの
口の中が乾燥するということは口内の唾液の量が少ないということ。唾液には口の中の菌を洗い流したり、菌の活動を抑えたりする働きがあるので、口の乾燥は口臭になってしまいます。乾燥の原因には以下の4つが挙げられます。
ストレスを感じている
ストレスを感じたり緊張をすると口の中が乾く経験はありませんか?あれは、ストレスを感じると交感神経が優位になることで起こる現象の一つです。人間の体にある自律神経には、興奮状態になると優位になる「交感神経」とリラックスしている時に優位になる「副交感神経」の2種類があります。交感神経が優位になるとネバネバした少ない量の唾液になり、副交感神経が優位になるとサラサラした量の多い唾液になります。量が少なくなると自然と乾燥しがちになるので、口臭に繋がってしまいます。
カフェインを摂取している
コーヒーやお茶に含まれているカフェインには利尿作用があります。利尿作用はその名前の通り体の外へ水分が出て行ってしまうので、体内の水分量が減ってしまい、唾液が分泌されにくくなってしまいます。
甘いものを食べたり飲んだりしている
甘いものは一見口臭に関係なさそうですが、甘いものには砂糖が含まれていますよね。この砂糖が原因になってしまうのです。砂糖は口の中に入ると「酸化」を起こします。口の中が酸性になれば口臭が消えた、と思う人が多いようですが、これは一時的なものにしか過ぎません。砂糖自体は口の中に住むバクテリアを増加させてしまうので講習に繋がってしまいます。
タバコを吸っている
タバコにはタールやニコチンが含まれているのは有名ですが、この2つは体に影響を及ぼすだけでなく口臭にも繋がってきます。タールは、タバコを吸った後にフィルターに着く茶色いシミで、これが肺や舌、歯にべっとりと着くことで口臭になります。また、ニコチンは血管を収縮させ全身への血の巡りを滞らせてしまうため、唾液が出にくくなります。さらに、口の中の乾燥は、喫煙時に発生する一酸化炭素によっても引き起こされるために口臭につながります。
寝起きなど水分摂取が少ない状況にいる
夢中になっておしゃべりをした後や朝起きた時に喉がカラカラ…というのは誰でも起こることです。長い時間水分をとっていないと自然と口の中が乾燥してしまい、唾液によって殺菌されるはずの口の中の菌がここぞとばかりに増え始め口臭として現れてしまいます。
口呼吸になっている
口呼吸が癖になっている人や、鼻炎や花粉症などで鼻で呼吸ができず口呼吸になっている場合は、口の中が外の空気に常に触れている状態なので乾燥状態になってしまいます。外の空気には菌もたくさん存在しているので口臭の発生を促す原因となってしまいます。
口の中の汚れや虫歯によるもの
口の中に汚れや虫歯があるということは口臭の元となる菌が居る、ということです。ここでは菌が住みついている3つの状況を説明します。
舌苔
舌の上は、口臭の元となる物質の揮発性硫黄化合物が多く作られてしまう場所です。下を出して鏡を見た時に舌の上が白くなっていたり黄色っぽくなっているものが舌苔です。口の中にいる嫌気性菌がタンパク質やアミノ酸を分解するため揮発性硫黄化合物が作られてしまうのですが、これは食べ物を食べた後などに舌苔(ぜったい)に食べかすが残っていること等から起こります。
歯周病
歯周病は歯周ポケットに菌が入り込んで炎症を起こしている病気です。とは言っても痛みを伴わないことが多いので、自覚症状がないことが多い歯の病気です。この歯周ポケットに溜まった菌が唾液や血液、食べかすのタンパク質を分解し、腐敗臭のような口臭を作ってしまいます。
歯周病かをチェックするには鏡で以下のような状態になっていないかを見てみてください。
- 歯垢が硬くなった歯石ができている
- 歯肉が赤黒い
- 歯肉がブヨブヨしている
- 歯がグラグラしている
虫歯
歯周病は歯周ポケットに菌が入り込む病気ですが、虫歯は菌が歯そのものに穴を開けてしまう病気です。穴の開いた歯には、食べかすや菌がたまる格好の場所となってしまう上、歯ブラシでは汚れが取れないことも多いので、菌が繁殖して口臭に繋がってしまいます。
体調不良や全身疾患によるもの
口の中に直接不調がなくても、体の病気の症状の一つとして口臭に現れることがあります。
胃の不調や便秘になっている
消化不良を起こしていたり便秘状態の時、消化されずに残ってしまった食べ物が発酵してお腹の中で臭いを発します。この臭いが胃や腸の壁から血液によってはいを経由して心臓に戻っていくため、呼吸となって口から発せられます。食べ過ぎや飲み過ぎ、バランスの悪い食事などで胃に負担をかけてしまっている人は要注意です。
全身疾患にかかっている
全身疾患には様々なものがありますが、息に関係する呼吸器系の病気で口臭が発生するものや、病気のある部位から血液に乗って肺から息が出る際に口臭として現れてしまうものがあり、病気によって以下のような臭いの特徴があります。
- 呼吸器系:肉が腐ったような臭い
- 消化器系:肉が腐ったような臭い
- 耳鼻咽喉系:肉が腐ったような臭い
- 肝機能障害:アンモニア臭、玉ねぎが腐ったような臭い
- 腎機能障害:魚が腐ったような臭い、アンモニア臭
- 糖尿病:リンゴが腐ったような臭い
また、このような臭いになる代表的な病気をまとめて見ましたので、口の中の汚れを取ったり虫歯治療をしても口臭が改善されない方は一度病気をチェックしてみてください。
- 呼吸器系:気管支拡張症、肺がん、肺結核、肺腫瘍など
- 消化器系:胃ガン、食道気管至ろう、食堂ヘルニアなど
- 耳鼻咽喉系:扁桃炎、咽頭膿瘍(いんとうのうよう)、咽頭ガン、副鼻腔炎、副鼻腔ガンなど
- 肝機能障害:肝硬変、肝臓ガンなど
- 腎機能障害:腎不全、腎機能の低下など
簡単にできる!口臭のセルフチェック
自分の口臭は自分では気づかないことが多いのが事実です。そして、誰かから口臭がしていても人に伝えてあげにくいのも事実ですよね。そこで自分の口が臭くないか確かめる方法をご紹介します。人と会う前などに行ってみるのもいいかもしれません。
手やマスクでチェックする方法
まず、口で手を覆います。覆った手が湿るくらいまで、ゆっくりと息を吐き出してください。息を吐いたら口を閉じ、鼻で息を吸ってください。
この時に、違和感を感じれば残念ながら口臭がしているということになります。しかし、コーヒーを飲んだ後や、ご飯を食べて歯磨きができていない状態、など明らかに原因がわかっている場合は、口臭が慢性化してしまう前に対処しておきましょう。直後に人に会う場合は、キシリトールのガムを噛むだけでも改善されますよ。
この方法が一番簡単にできる方法です。自分の手が湿るのがいやだという人はマスクや香りの付いていないハンカチなどでも出来ますので試してみてくださいね。
口臭チェッカーを使う方法
手やマスクよりも客観的にチェックできる方法です。口臭チェッカーとは口臭の強さをレベル化するもので、口臭を感じない「0」から非常に強く口臭を感じる「5」と言った表示で現れます。薬局や電気屋さんの生活コーナーに売っており、相場は約2500円で500回ほど繰り返し使うことができます。
使い方は、口臭チェッカーから1cmほどの場所から吹き込み口に息を吐き出す、というシンプルなものです。注意点は、口臭チェッカーは臭いの強さを測るので、自分の口臭を測るなら、寝起きや、食後30分後以降に測ると良いでしょう。歯磨き粉の香りも測定されてしまい口内は綺麗なのに「4」という判定が出てしまうことも。
自分の口臭に過剰に敏感になっている可能性も
人の口臭が気になった時は自分の口臭も思わず隠れてチェックしたくなってしまうものです。しかし、自分から口臭がしたら嫌だ!という不安から、いわゆる口臭には分類されないようなわずかなニオイにも敏感になってしまい「自分は口臭がする」と思い込んでしまう人もいます。
口が臭い原因を無くして口臭を改善をしよう!
口臭をなくすには、やはり「口が臭い原因」を排除することが大切です。生理的口臭と病的口臭に分けて改善方法をご紹介します。子供が自分でできるような簡単な方法もあるのでチェックしてみてください!
子供にも効果あり!生理的口臭の治し方5選
普段の生活で癖ついてる習慣から臭う生理的口臭には、口のケアで汚れを防ぐことと、乾燥を防ぐことが大切です。
意識的に唾液を出す
口臭の原因となる菌の増加や働きを抑えてくれる唾液を出すことが口臭対策に有効です。リラックスすること、キシリトールガムを噛んだり酸っぱいものを想像すること、よく噛んで食事をすることで唾液が自然に出るようになります。初めのうちは意識するのが大変ですが慣れると自然に出来ることなので是非実践してみてください。
水分をこまめにとる
口の中の乾燥を防ぐためには水分を取ることが簡単にできる方法です。口の中に水はためておけないので、できれば1日2リットルの水をこまめに取りましょう。この時、砂糖が含まれているジュース、カフェインが含まれているコーヒーやお茶は逆に口臭の原因となっているので、飲むものは「水」がオススメです。
正しい歯磨き方法を行う
歯磨きは歯垢や食べかすを取るのに一番有効な方法です。仕事をしているからお昼は厳しい、という人でも口臭が気になる人は是非歯磨きセットを持ち歩いてランチの後に磨いてください。理想の歯磨きのタイミングは、毎食後と寝る前です。
- 水に濡らした歯ブラシの毛先を、歯と歯肉の間に当てる
- 優しく小刻みに動かしながら、正面・右横・左横を上下に行う
- 歯の裏側は、歯ブラシを縦にもち、歯の上から下に歯垢を落とすイメージで磨く
- 終わったら5回ほどしっかりと口をゆすぐ
舌苔を掃除する
舌の上は口臭の元になる物質が多く作られる場所で、舌苔が多く口臭がする人は、汚れが溜まっていることが考えられるので、舌掃除が有効です。しかし、舌掃除をしすぎて血が出たりすると菌が血液中のタンパク質を餌にして口臭につながる恐れがあるので、多くても1日1回にとどめておきましょう。
- 舌ブラシを水に浸し、息を止めながら舌の奥から手前に軽く引く
- 舌ブラシをよく洗い、汚れがつかなくなるまで繰り返す
- 口をしっかりゆすぐ
寝起きにうがいをする
口臭の元となる菌を繁殖させないために、マウスウォッシュなどの洗口剤を使ってうがいをしたり口をゆすぐ方法も効果があります。洗口剤には、殺菌剤・水・アルコールなどが入っており、舌や歯の表面の汚れだけでなく、歯垢の中にいる菌も抑えてくれます。
かかりつけの病院へ!病的口臭の治し方2選
病気によるものは根本治療をしないと慢性的な口臭は改善されません。口の病気は歯科医院へ、全身疾患は病気にあった病院で診てもらいましょう。
虫歯や歯周病を治療する
虫歯や歯周病が疑われた場合はすぐに歯科医院に行きましょう。虫歯や歯周病は程度によって治療法が異なるとされています。
次亜塩素酸電解水を使う
殺菌効果のある塩素成分が含まれている次亜塩素酸電解水は、口の中の菌を排除してくれるので最新の治療法として使われています。副作用はほとんどなく歯茎にも優しいと歯科業界では注目を集めているのだとか。ほのかなミントの香りで仕上がりはさっぱりします。
専用マウスピースで殺菌する
マウスピースを使って歯周病の薬を歯周ポケットに浸透させる3DSという方法です。マウスピースのおかげで薬が唾液に流されないので、歯垢の定着を抑えることができます。虫歯にも効果的なので気になる人は歯科医院で尋ねてみてください。
全身疾患を根本治療する
全身疾患による口臭の場合は、口の菌を殺菌したり予防をしても改善されないため、根本治療が必要になります。ただし、病気自体が重くなっている場合は、病気そのものの治療に時間がかかるだけでなく、口臭の解消にも時間がかかったり最悪の場合は口臭がなくならない場合もあります。お医者さんへ病気の相談をするときに口臭の相談もしてみると何か改善方法を提案してくれるかもしれません。
日常で出来る口臭予防法2選
日常で意識して予防ができるのは、生理的口臭です。乾燥させないこと、汚れをためないことを意識すると口の中もすっきりして口臭予防になります!さらに健康的な生活は口臭だけでなく病気になるリスクも下げることができるので意識しておきたいところです。
口の中を乾燥させない
菌が増加しやすい環境である口の乾燥はなんとしても避けたい状況です。以下の2点を徹底すると自分でもわかるほど口臭が改善されます。
- 口呼吸を避けて空気に触れないようにする
- こまめに水を飲んで潤す
暴飲暴食や過度な喫煙を控える
暴飲暴食や喫煙は、胃などに負担をかけるだけでなく重い病気の元となってしまいますので控えましょう。どうしてもやめられない場合は、サプリメントで栄養を補ったり、飲酒喫煙で起こる血行不良を避けるために運動を行うことをおすすめします。
口が臭い原因を排除して快い生活を送ろう
他人の口臭が気になるのと同じように、誰かに「口が臭い」と思われていることは無きにしも非ずです。一度、口が臭い原因が日常生活の中にないか振り返って見てください。口臭は一つの健康のサインなので、口臭予防を実践しても治らないなど、気になった場合は遠慮せずに歯科医院へ行きましょう。