タバコの値段はどんどん上がっているものの、なかなか禁煙できない人は多いですよね。
体に良くないと頭では分かっていても、どうしても辞められないのがタバコの怖いところでもあります。
そんなタバコで悪影響を与えるとされているのが、タールとニコチンです。
この二つの成分、一体どんな悪影響があるのでしょうか。
その影響を減らすための対策も、併せてご紹介していきます。
目次
タールってどんなもの?
タールは、約4000種類もの化学物質の結合体と言われています。
タバコの葉を加熱する事でタールは発生し、黒褐色の粘質性の液体となっています。
タバコを吸うと、歯が黄ばんでしまったり周囲の壁が黄ばんでしまいますよね。
これはタールによるもので、タバコの吸い殻に残るフィルターの黄ばみも同様です。
いかにタールが強力なものかは、その黄ばみを見れば分かりますよね。
これは副流煙にも含まれていて、実際に自分でタバコを吸っていなくても副流煙によって吸いこんでしまう事もあります。
このタール、そこに含まれている化学物質のうち約200種類は人体に悪影響を与えるものだとされています。
中でも広く知られているのは、発がん性物質ですね。
発がん性物質とは、正常で健康な細胞を癌へと変えてしまう怖いものなんですよ。
そんな発がん性物質が、一つではなくたくさん含まれているのです。
また長く喫煙すればするほど、タールは肺に蓄積されていきます。
しかも粘質性であるタールは、そう簡単に体外へ排出されないものなのです。
タールの量
タバコには、1㎜や10㎜などの記載があります。
これはタールの多さを記載したものですが、実際にはそのタバコに含まれるタールの量ではないんですよ。
実はタールの量は、銘柄によって違うのです。
同じ銘柄ならば、1㎜でも10㎜でも含まれているタールの量は同じです。
タバコに含まれるタールは、フィルターに空いている穴によって調節されています。
その穴が多ければ多いほど、吸い込むタールの量は減る事になります。
しかし副流煙は、そうはいきません。
1㎜でも10㎜でも、副流煙の場合は同じだけタールを含んでいるのです。
つまり自分自身が吸い込むタールの量と、周囲の人が吸い込んでしまう可能性のあるタールの量は同じではないと言う訳なんですね。
むしろ、周囲の人の方が多くタールを吸い込んでいる場合が多いのです。
タバコのタールによる影響は肺だけ?
タールは、主に肺に大きな影響を及ぼします。
咳や痰が慢性化してしまう事も多く、喫煙者の多くはこれを経験した事がある事でしょう。
しかしタールによる影響は、決してこれだけではありません。
様々な肺の病気の原因になる事も、少なくないのです。
- 慢性閉塞性肺疾患
- 気管支喘息
- 肺気胸
これらは、タールに影響されて発症する可能性のある病気です。
もちろん自分が吸うだけでなく、副流煙によるタールでも発症するリスクはあるとされているんですよ。
タールが及ぼす肺以外の影響
タールは細胞に付着してしまうという、恐ろしい性質があります。
そのため、当然肺以外にも悪影響を及ぼしてしまうものと言えるのです。
様々な体調不良の原因ともなり得るタールですが、その中でも一番怖いのが「がん」ですね。
特に肺がんや膀胱がん、咽頭がんは、タールによって発症リスクが上がるとされているんですよ。
ニコチンも人体には害となる?
タバコと言えば、タールと並んで有名な成分が「ニコチン」ですね。
ニコチンも、タバコに含まれる有害物質のうちの一つです。
発がん性物質こそ含まれていませんが、健康に良くない物質である事に変わりはありません。
ニコチンの場合は、神経に悪影響を及ぼします。
例えば心拍数増加や血管収縮、動脈硬化なんかも、ニコチンによって引き起こされる事があるとされているのです。
さらに依存性が非常に高いのが特徴で、その依存性の高さは麻薬などと同様とされているんですよ。
タバコをなかなか禁煙できない人が多いのは、このニコチンの依存によるものも多いのです。
またニコチンは、30~60mgが致死量となっています。
そしてその毒性の強さから、タバコの水溶液を害虫駆除に使う事も禁止されているのです。
それだけ、ニコチンは神経に強い毒性を与える成分なのですね。
こうしてニコチンは人体に害を与えるものですが、タバコを吸うと気持ちが落ち着くという人が多いのはニコチンの効果でもあります。
ニコチンを吸い込むと、脳内ではドーパミンが分泌されます。
このドーパミンにより、達成感や幸福感の様な感覚が得られるのです。
これによって、気持ちが落ち着くと感じる訳なんですね。
しかしこれは一時的なもので、実際にニコチンは神経に大きな負担をかけてしまっているものなのです。
タバコに含まれるその他の有害物質とは
タバコには、タールやニコチン以外にも有害物質が大変多く含まれています。
中には、ダイオキシンやヒ素なども含まれているんですよ。
特に一酸化炭素は、タールやニコチンと並んで三大有害物質とされています。
一酸化炭素が怖い理由は、血液中で酸素の200倍もの速さでヘモグロビンと結びついてしまう点にあります。
一酸化炭素がヘモグロビンと結びついてしまう事で、酸素はヘモグロビンと結びつけなくなってしまうのです。
ヘモグロビンは全身に酸素を送る役割をしているので、これによって体のあらゆる箇所で酸欠を起こしてしまうんですね。
すると頭痛や嘔吐、意識障害などの症状が出て、最悪の場合昏睡状態や死に至ってしまう事もあります。
こうした様々な有害物質をたくさん含んでいるのが、タバコです。
「百害あって一利なし」とはまさに的を射た言葉で、タバコは体に大変有害な物質を数百種類も自ら体内へ招き入れている事になる訳です。
タールの影響を減らすための対策7選!
タバコの中でも、特に有害物質となっている「タール」。
そのタールの影響を減らすためには、禁煙が一番良い方法です。
しかし、なかなか禁煙に踏み切るのは大変ですよね。
そこでなるべくタールの影響を減らすための対策を、7つご紹介していきます!
1.吸うタイミングを決めて本数を減らす
禁煙は、愛煙家にとってはとても大変な事です。
健康に悪い事は重々分かっているけれど、どうしても辞められないという人も多いですよね。
そんな場合は、吸うタイミングをある程度決めてしまって本数を少しずつ減らしていきましょう。
食後や仕事の休憩に一本ずつなどと決めておくと、本数も減らしやすいですよ。
2.浅く吸う様に心がける
タバコは、深く吸えば吸うほど肺に煙が長時間滞在してしまいタールが多く蓄積してしまいます。
そこで、なるべく浅く吸う様にしてみましょう。
タールを吸い込む事に変わりはありませんが、浅く吸う事で少しでもタールの影響を減らす事ができますよ。
3.根元は吸わずに残す
タバコは、その長さの分しっかりと吸いたくなるものですよね。
しかしタバコは、根元に有害物質が多く詰まっていると言われています。
そのためタバコは最後まで吸わずに、根元を残して吸い終える様にしましょう。
またタバコのフィルターを断む癖がある人は、フィルターを噛まない様に心がける事も大切です。
タバコはフィルターによる穴によってタールを調節しているので、噛んでしまうとタールを多く吸い込んでしまう事になるのです。
4.電子タバコを使用する
最近使用者が増えてきている、電子タバコ。
その名の通りタバコである事に違いはありませんが、タールを含んでいない事は大きな違いです。
ニコチンは含まれているので、ニコチンに依存していても電子タバコならば移行しやすいですよ。
5.ビタミンCを多く摂る
ビタミンCは、タバコを吸う事によって破壊されてしまいます。
すると免疫力の低下やストレスが増えるなどの悪影響が増え、タールの影響に輪をかけて体に悪影響を与えてしまいます。
そこで、レモンやいちごを積極的にとってビタミンCを補給していく様にしましょう。
タールの影響を直接減らす訳ではありませんが、ビタミンCを摂る事で免疫力をアップさせる事ができるんです。
6.口が寂しい時はガムを噛む
タールを減らすには、タバコを減らすしかありません。
しかしタバコを減らすと、どうしても口が寂しくなってしまうものですよね。
そんな時は、ガムを噛んでみるのも効果的ですよ。
甘いガムよりもブラックガムなどがおすすめですが、ぜひ好みの味を見付けて活用していきましょう。
7.ニコチンパッチを使ってみる
ニコチンパッチは、禁煙にも使われるものですよね。
貼るだけで使えるニコチンパッチは、ニコチン不足による禁断症状を緩和してくれます。
そのため、どうしてもタバコを辞められない人にもおすすめなんですよ。
もちろんタールは含まれないので、この際禁煙する!という人もぜひ使ってみると良いかもしれませんね。
まとめ
タバコを辞めるというのは、本当に勇気がいるものです。
私もかつては愛煙家で、禁煙に成功した今でも時々吸いたい衝動にかられてしまいます。
しかしタバコは、自ら毒を摂取している様なものです。
また周りにいる人にも、タバコは大きな影響をもたらしてしまいます。
そうは分かっていても、なかなか辞められないのがタバコの怖いところですよね。
そのためまずは少しずつタバコを減らすなどして、タールの影響を減らしていきましょう。
そしていずれは、自分のためにも周りの大切な人のためにも、禁煙できると良いですね。
禁煙できれば、体は少しずつタールの影響から回復します。
ただし無理な禁煙は、ストレスを抱えてしまい心身ともに良くない影響も出てきてしまいます。
時間はかかりますが、無理をしすぎずに少しずつ禁煙を目指して健康を取り戻していきましょう!